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伝説の自然農法提唱者・福岡正信氏、実は家庭の経済状況は火の車だった!それでも続けた自給自足的な生き方。その血を引き継ぐ、日本で初めて、自然農法でお野菜や果物を育てた農園とは


IN YOU Marketに自然栽培のくだもの・あまなつジャム・柑橘ジュース(2018年3月から発売予定)を出品している、福岡大樹(ひろき)さんにお話を伺いました。

自然農法提唱者・福岡正信氏の血を引き継ぐ、自然栽培農園

私は、自然農法の提唱者である福岡正信の孫です。
祖父が説いた農法や想いを引き継ぎながら、一切の農薬を使用せず作物を育てています。

みかん、レモン、ブラッドオレンジ、ライム、キウイフルーツ、ネーブル、紅マドンナ、スウィーティー、甘夏、小林みかん、グレープフルーツ、ユゲヒョウカン、文旦、ぎんなん。

愛媛県伊予市の豊かな自然の中で、柑橘類を中心に、季節に合わせて旬となるものを収穫します。

私たちは、作物を販売することで対価を得ながら、
安全で自然の中で循環できるものを作り続けています。

単なる販売者と購入者という関係ではなく、生命を支え合う、お互い持ちつ持たれつで支え合うというような想いを持って頂ける方に購入して頂き、関係を構築できたらと思います。

自然の中で作るものなので、とび抜けて美味しいものもあれば、酸っぱいものもあります。

それも「自然」ということを理解、消費して頂き、循環できたら良いと考えています。

祖父は社会に大きな影響を与えたけれど、家計は火の車

祖父である福岡正信は、大正2年生まれです。

曾祖父は村長をしていたのでそこそこ裕福で、
祖父は戦争があった当時でも大学まで進学し、
高知県立農事試験場で研究系の仕事に携わっていました。

病気を患って生死の堺を彷徨う経験をした時に祖父は、
自然の摂理の中では人の力は無力に等しいことを感じ、
「自然界で人為は無用なのではないか」と悟りました。

以来、そのことを提唱していく為に自然農法をを形として構築し、実証していくことに。
これが、今ある自然栽培の始まりと言えるでしょう。

はじめ、山の中での農作業で人の手の加え方と作物の成り方を研究しながら活動を記し、自費出版の書物にまとめました。

するとだんだんと仲間が集まってきて、
昭和47年には「自然農法・わら一本の革命」を出版、
2年後には英訳版が出て、以後海賊版として世界に広まっていきました。

20カ国語以上の言語で翻訳され、村上春樹さん以前では最も多くの言語に翻訳された本ではないかと言われています。

その後ベトナム戦争などの影響で、
世界情勢として公害とか平和とかが着目される時代となり、
祖父の活動に世界的な注目が集まり始めました。

80年代以降には砂漠化も世界的な問題として挙がり、自然農法が緑化に役立つのではないかと着目されました。

国連からの依頼もあり、祖父はアメリカ、アフリカ、インド、ヨーロッパを拠点としながら緑化活動に励みました。

数十種の植物の種を混ぜた「粘土団子」を祖父が発案し、砂漠に蒔いていきました。

種は雨が降るまで泥に守られ、雨が降ると発芽します。

その土地に適したものが育ち、緑地化されていくのです。

草原ができればその地上にはまた雨雲ができ、、、雨というのは、地上から降るものです。

蒔く粘土団子は同じものでも、育つものがどんどん変化しながら、緑地化が進んでいきます。

ちなみにこの粘土団子は、今ではギリシャやインドの限られた個人が活動しているのみとなっています。

活動の功績として、アジアのノーベル賞と言われる「マグサイサイ賞」やインドの最高栄誉賞も受賞しています。

宮崎駿さんにも影響を与えていて、
「自分も自然のことを少しは理解しているつもりでいるけれど、正信さんに言わせたら笑われるだろうなぁ」
という推薦文を祖父の著書の帯用に頂いたことがあります。

また、「奇跡のリンゴ」の木村さんが、
リンゴを作り始めたきっかけは祖父の本だったそうです。

書店で本を物色していた時にたまたま書棚から落ちてきた祖父の本を読んでみたら、、、リンゴを作ることにしたそうです。

実証はできないのですが、ジョン・レノンやオノ・ヨーコも影響を受けていると言われます。

華々しい功績のように思われるかもしれませんが、その一方で、家庭の経済状況は火の車でした。

祖父は、自給自足的な生き方を体現すること、
先駆者として提唱していくこと
にフォーカスしていました。

農園の作物収量を考えたり、それを販売してお金に変えたりすることはあまり考えていなかったのです。

これじゃまずいと家庭を再建する為に私の父が、
農作業を手伝って祖父の自然農法を学びながら、
作物を販売してお金に換えるということも始めました。

父が40年程行い、その後私が引き継ぎ、現在の農園を運営しています。

自然栽培で作られた、季節のくだものとジャムを買う

エネルギー消費量の方が大きくなってしまっていることが、現代農業の課題

現在ある農業は、資本主義に照らし合わせて成り立っています。

上手に作物を売る人が残れて、地道にコツコツ作っている人は残れません。

消費者も、そもそもの農業の仕組みや作物ということよりも、
見た目のきれいさ・甘さ・安さというようなことを過剰に求めます。

今の日本の農業は、石油がなくなれば継続できません

販売されている価格以上の、自然のエネルギーが使用されてしまっている現状を問題だと考えています。

消費の為に作った作物、例えば100円で売られているようなものも沢山ありますが、
その価格のその作物を作る為に、電気・石油・コンクリートなど価格以上の自然のエネルギーが消費されてしまっています。

農耕が始まって2万5千年以上経ちますが、食料を安定的に作る技術は未だ確立されていないのです。
稲作が始まってからも1万年以上ですが、今も5年おきくらいに不作の年があるじゃないですか。
人間は、自然を相手には太刀打ちできないのです。

自然農法は、できるだけ自然資源の消費を少なく、循環し続けられるような農業を実現するものです。

私たちが安定的に食物を食べていけるように。確実に継続できるように。

美味しさとか、いつも必ず消費者の期待を満たすものではないかもしれませんが、それが本当の農作物であることも是非ご理解頂けたら嬉しいです。

自然栽培で作られた、季節のくだものとジャムを買う

農家が減少していることも、危惧しています。

伊予市の人口は5万人程で、百姓は40年前には数百人いましたが、今20−30代で農業をしている人は50人程しかいません。

跡継ぎ問題が深刻化しています。

放ったらかしのように見える自然農法も、道の整備など周囲の農家との協力は重要で、集落で農業を支えていくことが重要です。

これから、50人の百姓で5万人を支えていくのか、それとも輸入を強化していくのか・・・。

行政は企業誘致や農業の大規模化を解決策として対応していますが、
これではまさに先程お伝えした「消費エネルギーの方が多い」形となってしまいます。

継続性や循環性とは真逆の方向なので、長期的にうまくいくとは、とても思えません。

生命を繋ぎ続ける為に、互いに支え合いたい

日々の農作業の中で畑の為にできることっていくらでもあるのですが、
最近は農作業を邁進させる余裕がないことが悩みです。

メール返信などパソコン作業含め、営業や経営面のウエイトが大きくなっています。

営業を頑張れば作物は売れるけど、一方で畑の状況が落ちていってしまう。

本当はもっと畑で改善したいことがあるのですが、バランスが難しいです。

買い支えてくれる人が増えて、百姓を農作業を頑張れるようになると有り難いです。

これまでは農園での販売が主で、インターネット上ではあまり販売したことがなくて。
見た目の悪さや大きさのバラつきなど、クレームがたくさんきて心が折れてしまわないか、ちょっぴり不安でいます(笑)。

自然の中での循環性や安全性は、確実です。
IN YOU読者の皆さまと、お互いに支え合うことが出来たらとても嬉しいです。

自然栽培で作られた、季節のくだものとジャムを買う

PROFILE

佐野 亜衣子
佐野 亜衣子
学生時代より慢性的だった生理不順と不正出血を、独自の食事療法により克服。現在4歳の子供を、自然妊娠しました。
「良いもの」と「消費者」をつなげ、自分自身のサステナビリティ〈健康〉と、社会のサステナビリティ〈環境〉を実現させたい。
全ての子供たちが健やかに成長し、未来が希望溢れたものとなるように。
東京都在住。食生活アドバイザー。

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