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モットーは『障がいがあっても稼ぐ』完全“天然素材”能登ヒバ&ひのきチップ

2019/10/18

会社設立の決意


「私がリハビリテーションの資格を持っておりまして、精神科の病院で12年間働いていたんですね。
日本の精神科医料はまだまだ遅れているところがあって、
精神疾患や知的障害の方々には入院中心な医療だったんですね。
そういった治療ではなくて、その人が生まれ育った地域の中で生活でき、
貢献できるサービスを作っていかなきゃいけないなという想いが強かった
のが会社設立のきっかけです」

「障がいを持った方が社会で働ける社会」が病院の中ではきっとできないと考え、
外に飛び出して自分でやってみようと思ったという。」

「設立に当たっては私と代表と2人でかけずり回りましたね。
半年くらいで用意していたお金が底を付きました(笑)」

「一番苦労したのはお金ですね」と笑う出品者さん。

「スタッフの教育にも苦労しました。設立に当たって、いろいろな問題があり、
エネルギーが必要ですので、スタッフがなかなか定着しなかったのが苦労しました。
今振り返ると、理念と行動が伴っていなかったのかなと思います」

合言葉は『障がいがあっても稼ぐ』

 創業前の5年前と今の大変さの違いを聞いて見ました。

「どっちも大変ですね。販路開拓はいまも課題の1つですし、大変さの種類が変わった」

「僕たちが合言葉として掲げているのが、『障がいがあっても稼ぐ』という言葉なんです。
やっぱり、障がい者の方は好きでなってるわけではありませんので、
人生を悲観している人も多いです。
でも、心の中では障がいがあろうとなかろうと、1人の人として見てほしいとか、
裕福とは言わないけども自分で稼いで生活をしたいと思っている方がすごくたくさんいて

「障がい者の方々が働ける場所を提供したい」… そのために、
障がい者の方が働ける環境を整えるのが重要だと出品者さんは指摘する。

「今、2つの事業所を運営しておりまして、約50人の社会的マイノリティの方が働いております。
7割が精神症がいを持った方、2割が知的障がいの方、1割が身体障がいの方ですね。
1つの事業所はもの作りを中心とした事業所、1つの事業所は農業を運営しています」

働く喜びを感じられる職場に

 農業ももの創りも『働く喜び』を感じて欲しかったからだと出品者さんは語る。

「自信であったり、自己成長を感じてほしかったのです。
1人1人が働く喜びを通じて、ちゃんと生きる意味について考えてほしいなと考えました」

「下請け的な仕事ではなかなか働く喜びを感じることができない。
自分たちが関わった者、自分たちが作った物を売れる喜びですね。
人から認められたりとか、そういう想いが人の成長に繋がっていると考えております」

障がいはハンディではなく「個性」

「障がいをハンディではなく、個性として捉えております、
見方によってはすごい強みになりますので。
僕たちに持っていないようなものを持っていますね」

「就労支援事業として、何をもって『働く』のかと申しますと、
色々あるのですが、私たちは金沢市の中で1事業者として運営していく中で
地域にとって必要な事業所になっていきたいという想いがあったんですね。
そうしていくうちに、地域にとって必要なものはなんだということを考えた時に、
何をもって『働く』かいうことにフォーカスしていこうと思って、
もの創りというところで考えていくと、
石川県に能登ヒバという木があるんですね、その木と私たちは出会ったんです

能登ヒバとの出会い

初めてその木を知ったのは4年前、という出品者さん。

「この石川県の能登ヒバというのが私もその時初めて知ったのですが、
非常に魅力的な木でして、香りがすごく強くて、懐かしい気持ちになれるような木です。
その木をもっと色々な人に広めていきたいなと思いました。
石川県の県木であるという魅力をもっと様々な方に知ってもらうことを
障害者施設の役割の一つとしてやっていこうと思ったのがきっかけです。」

「能登ヒバという木は知らなかったのですが、
会社に関わった人間の中で木が好きな人がいて、
『ヒノキとか好きだから、何か木に携わることがしたいね』
と言ったのがきっかけですね」

 能登ヒバチップに関しては商品化としては4つ目の商品。
1つ目はハガキ。

「能登ヒバを薄くスライスして、それを2枚貼り合わせてハガキにした。
これは全部手作業でやらなくてはいけなくて、
4年前、当時、北陸新幹線が開通するタイミングでした。
ちょうど観光客が増えてきている時だったので、
お土産になるような何かを作ろうと思ったのです」

「そのハガキが観光地に置いていただけることになった。
商品開発からデザインまですべて障害者の方と一緒に作っているのが特徴です」

「適切な薄さ、加工の仕方に苦労しました。商品化まで半年かかりました。
1枚0.25ミリの薄さに切り、作っているんですね。
経験も実績もコネもなかったので、最初は障がい者の方と一緒になって飛び込み営業してました。
運よく話を聞いてもらうことができて、まずは兼六園で販売がスタートしました」

 現在は金沢市内、石川県内県外合わせて、30店舗くらいで販売しています。 
2つ目は能登ヒバの『木のしおり』を作りました。

「これはある取り扱い店からのリクエストで
『ハガキより、しおりを作ってみたら売れると思うよ』って言われて、
試しに作ってみたら、ハガキの倍は売れました」

3つ目は能登ヒバの『シール』でした。
「本当に小さくで1センチ四方くらいのシールなんですけど、
ハガキサイズが9枚としおりサイズに6枚と2種類の大きさがありまして、
取り扱う店舗によってはシールが一番人気であったりと根強い人気があります」

宿泊施設のおもてなしから始まった「能登ヒバチップ」「ひのきチップ」

今回の商品である『ヒバチップ』は4つ目、
ホテルであったりとか宿泊施設のアメニティを取り扱うことになったのがきっかけと語る。

「ご縁があって、ポストカードなどがアメニティに置かれていることがあると思うのですが、
石川県ならではの『おもてなし』がしたいというホテルの熱い想いがありまして、
そこでまずハガキの反響がよかったんですね」

 能登ヒバ自体の人気が出て、『もっとアメニティが考えられる』『もっと違う形で能登ヒバをできないか』
という話になって、とある工務店さんと出会ったという。

「今までハガキやしおりを仕入れていた店とは違う工務店だったのですが、
能登ヒバチップの材についても、すっごくこだわってくれて。
通常は木材というのは人工的に乾燥させるんですけども、
このチップに関しては、自然乾燥。
最低でも3年間自然に乾燥させた木材しか使用しておりません。
通常では人工的に1、2日で乾燥させてしますので、
3年間を時間をかけて自然乾燥しています

開発には半年かかったという。

「商品化したのはちょうど今年(2018年)からなので、
ホテルのお客さんからも『すごくいいね』『これ、売ってないの』という声もありました。

最初はアメニティだけだったが、宿泊客からの声もあり、最近販売に踏み切りました」
 
最後にINYOU読者に向けてのメッセージをうかがった。

「まずは一度、使って見みてください。
すごい素敵な木の力を実感してほしいですね。
生活の中で『ちょっといいな』という満足を与えてくれるはずです」

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