Iターンで田舎暮らしをしながら仕事をする方法を探り、複数の家族で立ち上げた。 - IN YOU MARKET|厳選オーガニックショップ-食品・コスメ・サプリ

Iターンで田舎暮らしをしながら仕事をする方法を探り、複数の家族で立ち上げた。 - IN YOU MARKET|厳選オーガニックショップ-食品・コスメ・サプリ


Iターンで田舎暮らしをしながら仕事をする方法を探り、複数の家族で立ち上げた。

2020/01/30

もともと私たちは、京都の田舎へIターンした家族が集まって会社を起こしました。
私も最初は高校の教員だったのですが、早期退職し移住してから、たくさんの若い家族と仲良くなったんですね。

両親が40前後、子供が三人とか、そんな感じの。
ただ、実際みんな早期退職をして、田舎に移住しても、なかなか良い仕事がない。

芸術家とか職人など手に職がある人はいいのですが、そうでなければ都会の仕事を辞めるので、それほど高収入は望めません。
一応食っていけるんだけれど、貯金まではいきません。けれども、今後を考えると現金収入がないと、子どもの教育にはお金がかかります。

そこで、田舎の暮らしをしながらも学費貯金くらいができる環境を作れたらと、考えて創業しました。
会社を作るなら「移住者らしく、自分たちで作ったものを販売して暮らそう」と、複数の家族が集まって新しいライフスタイルを築こうとスタートしました。

自然豊かな田舎に行けば、自然の中でのびのびとできるし、アレルギーやアトピーがひどい子供でも気がつけばアレルギーが治っていたりします。
そんな人々の自然と融合した大切な暮らしを守れるような仕事をしたいと思ったのがきっかけです。

京都では醤油の生産シェアが0.1%。しかも、出回っているものの多くは合成アミノ酸を使った別物。

では、何をやろうかということで色々アイデアを考えて出したのが、古式醸造の醤油作りでした。

もともと周りに味噌作りをしている仲間たちはたくさんいて、自身も味噌作りなら頻繁にしていたのですが、醤油を作っている人は、周囲になかなかいませんでした。
もちろん、ノウハウもありません。

実際地元である京都では、流通している醤油といえば、合成アミノ酸等などを、用いて作られているものがほとんど。

中でも京都は全国シェアでいってもたったの0.1パーセントしか醤油の生産がないんです。
国産大豆と国産小麦を使って、昔ながらの手法でやっているところはほぼありません。

多くは値段で張り合おうと、安くするために大体大手から醤油の元の汁を買って出汁を混ぜるなどして、作っています。

搾りかすも捨てずに最後まで食べられる手作り醤油は美味しい。

ですから我々が、忘れかけられている日本のよき文化継承の意味も込め、本質的な醤油づくりをやろうと決めました。
幸い、私たち移住者の一人に醤油作りを十数年間毎年されている方がいたので、それらの作り方をみんなで学び、手作りキットをやろう!という話になりました。

手作りの醤油は、やっぱり美味しい。

人工的なものではなく天然の微生物によって奇跡的に作り上げられた自然の旨味が絶妙なんです。

醤油というものは本来ものすごい重圧をかけて搾り出し、大豆のカスは捨てます。しかし、こちらの商品であれば、そんなことをしなくても搾ることができます。

手作り醤油があれば、大豆を「丸ごと捨てることなく全てを食べる」ことが実現します。

大豆の「搾りかす」はそのまま料理に使ったり、食べる醤油のようにオイルと混ぜて二次利用して、とても美味しく食べていただけるのですから。

蔵で熟成したもろみを、家庭で搾って、生きたままの新鮮な醤油を提供できる点が、他の醤油との違い値打があります。ただ、醤油なので製品になるまでに相当の時間がかかりますが、それでも自分たちで食べてみて、「これは、美味しい」という、自信が出てきました。


一番難しかったたことは値段の決め方です。どれくらいの値段でやればいいのかわからず、原価の出し方もわかりません。
ですから最初はとても安い価格でやっていました。

こんな安い商品じゃあかんと外部の方にも指摘されたのですが、
メンバーはみんな、良いものだからこそたくさん使ってもらえるように、もっと下げた方がいいのではないか、と言うのです。

確かにそうですが、電気代も諸経費も人件費や保険や税金や、そのあたりも落ち着かないと正確にわかりません。
「こういう値段では自分なら、買われへん」「一般人が手に届かへん」ということで、行きつ戻りつ話し合いが続きました。

一方、「高い値段で売りたくはないが、給与がないと生きていけない」そんな矛盾と葛藤がありました。
確かに、あまりに安い価格では、作っている人の生活も、成り立たちません。

けれども、話せど話せど、全員が納得するような意見というのは結局、出ませんでした。
最終的には、ある程度「価値をわかってくれる人たち」に売っていこうと折り合いをつけて販売をすることにしました。

会社の立ち上げって大変

思ったより会社運営というものは、過酷でした。
メンバーもそうですが、僕自身ももう少し、簡単だと思っていた節がありました。

1年間苦労をしながら一生懸命やったのですが、醤油ですから本格的に製品になるまで1~2年かかるため、しばらくは収入源がありません。
それでも、二年目に、京都元気応援ファンドという補助金に応募し、300万円の助成を頂くことができました。

おかげで、工場建設や仕込み作業や商品の製品化に、みんなも手弁当でがんばりました。

これでは、働く人たちのための給与さえ、まともにはまかなえない・・。

その次の年は少し、売り上げも伸びていきました。

しかし、クラウドファンディングや補助金なども使いつつなんとか成り立つレベルで、純粋な売上だけではまだまだ運営がままなりません。
働いても働いてもお金にならない。

だんだん生活に苦しさが増してきて「これ以上無理です」「以前より生活が厳しい」と仲間たちの苦労を目の当たりにして、それはとても辛かった出来事です。
試行錯誤しつつ、どう頑張っても、「できへん」ということなら、最終的には、辞めるしかない。

けれども、ちょうどそのころに老舗旅館や、京都の高級ホテルでも使ってくれたりと、いい話が少しずつ増えてきて、「もうちょっと頑張ろう」ということで、なんとか、踏ん張りました。

9家族で結成しましたが、そんな人件費は到底稼げず、今来ていただいているのは4~5家族です。

経営のことも右も左も分からない中、0から製造・販売まで、全てを自分たちでやってゆかねばなりません。製品ができたらできたで終わりではないのです。今度はそこから販売や営業せなあかんわけです。

想像以上にエネルギーがいることばかりでした。
しかし努力の甲斐あって、ここ最近になってからだんだん、先が見えてくるようになり、メンバーにも明るさが見え始めてきた状況です。

醤油の原材料におけるオーガニックへのこだわり

私たちは「基本的に自然に生かしてもらっている」という考えでモノを作っています。
「自然の中で暮らしていくために、食べ物を作る」というのが共通思考なんですね。

ですから、「農薬に頼らないでやっていきたい」という考えの元、畑では農薬は使いません。
たとえ、できたものが穴だらけでも、ありがたくいただき、昔ながらの保存法で調理をしようというスタンスで生きています。

もっとも当初は慣行栽培のものをつかっていた時期もあったのですが、農薬を使わない農家から仕入れることに方針を、切り替えました。
工場を作った時周囲の農家から「工場排水が出る」と反対を受けるも、最終的には理解を得られた。

地域で工場を作った時、周囲の農家の方々から反対の声が上がりました。

「工場排水が出てくるのじゃないか?」と、環境汚染について懸念をされていたのです。
確かに醤油づくりの工程でたくさん大豆のぶくぶくとした泡が出るんですよね。

それがまるで石油由来の洗剤などのように見えるので、体や環境によくないものを大量に出しているように見えたわけです。
「これなんや?」自分たちの畑に汚水が流れると困ると言われたのですが、実際に工場の中にまできて見てもらうと、安全な大豆の茹汁しか出てないことがわかります。

塩すら出さず、むしろ農薬不使用の大豆から出る微量な栄養素を含む液体のみなんです。

そうすると、見にきてくださった土地の人が「これは確かに安全そうだ」「栄養もありそうだし、勿体無いから、その汁ためといてくれたら、畑にまくためもらいにくるわ」という風に、納得して帰っていくようになりました。

思いに共感してくれる共感者を増やしていきたい。

最近では、誰もが知るミシュランの有名シェフが、商品を見てくれて、醤油を作るキットを気に入ってくださり、ミシュランのレストランで購入してくださったりと、少しずつ著名な方々からも認められはじめて、嬉しい出来事も増えつつあります。

講演会では、理念や事業のことに共感してくれた人たちが、支援をしたいとおっしゃってくださり、少しずつ共感者も増えてきています。
もちろん、前述した通り、今も本当に大変なことばかりです。

しかし、支援者や共感者は順調に増えてきている実感があるので、実際に買って使ってくれる人はもちろん、この思いやビジョンに共感してくれる人をどんどん増やしたいですね。

より多くの方に、「丸ごといただける手作りの醤油」や「本物の醤油で作った調味料の魅力」を知っていただき、このプロダクトが、世の中に広まっていけばいいなと願っています。

ぜひあなたも本当の醤油の素晴らしさをもう一度、体験してみませんか?

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