僕も家内も、過去に大きく体調を崩したことがあって、その際に、食養生の先生から「食の大切さ」を教えていただいたんです。
体調が悪くなったのは、30代後半の頃。
当時はサラリーマンだったのですが、何が原因かわからなくて。
当時は、お肉とか外食とか、甘いものも好き放題、食べていました。
今思えば、体調は、悪くなるべくして悪くなった、という事がよく分かりますね。
食養生の先生に「食の大切さ」を教えてもらい、なかでも日本人の主食である「お米」がとても大切であるということを学びました。
これを機に、「食」をガラリと変えることにより体調が少しずつ元に戻っていきました。
「食」の中で何よりも大切な「お米」を自分たちの手で作ってみたい。
それが自然栽培のお米を作ろうと思った、一番最初の動機ですね。
お米作りを始めるに至るまで、最初は、進む方向がわからなくて、右往左往していました。
当初はブルーベリー園をやろうと各地を見て回ったり、実際に、あるブルーベリー園で体験するために移住したりとか、とにかく思いつくことを色々やりました。
でもピンと来なくて、全然進捗しませんでした。
けれど「お米を作ろう」と思ったら、すごくトントン拍子で前に進んでいきました。
今思うと、お天道様が導いて下さったんだ、といつも家内と話しをしています。
お米作りを始めようと決めてからはオーガニックや自然栽培という選択肢しかありませんでしたね。
もともと農薬を使う選択肢がなかったんです。
体や自然に優しいものを作りたいし、安心して人に勧められるものがいいなと思いまして。
一年目は、あまり美味しくないお米が少量実り、三年目でよくやくお客様に食べていただけるようなものを!
僕たちは、無農薬・無肥料でやっているので、やっぱり草取りに、苦労しています。
肥料なしで育てるにあたり、農業の経験が全くなかったので、技術もないし。
うまく作るまでは結構、大変でしたね。
一年目には、お米を作ったけれど、食べても美味しくないし、しかも、全然育ちませんでした。
二年目もまだまだ技術不足で、なかなか上手くいかなくて
三年目に、ようやくお客様にお出し出来るようなお米を作ることが出来るようになりました。
今では、少ないですが、無肥料でもなんとか5俵から6俵ぐらいは作れる様になりました。
一定のレベルまでになるまでに三年もかかったのです。
未来のために、もっと、タネを大事にしてほしい。
近年、種子法が廃止されたことで、日本古来のタネが危ないと言われています。
そして、最近、病気やアレルギーを患う人も非常に増えています。
僕もこれに対して危機感を感じていて、生産者そして消費者がこれを理解し、古来からのタネを守っていっていただきたい、と感じています。
現代の種は、品種改良された種、遺伝子組み換えされた種、命が次の世代へ続ていかない種で満ち溢れています。
本来自然界ではありえない事ですね。
私たちは知らず知らずのうちに命のない、エネルギーのないものを食べている様に感じます。
「食」は「身体」だけでなく、「心」も作ります。
本当の意味で「食」が豊かになれば「心」も豊かになるように思います。
先祖代々、ご先祖様たちが苦労して受け継いでこられた種にはすごくエネルギーがあると思うんです。
僕たちは、その種を使わせていただき、その地で育ったものからまた種を採り、そしてそれでまた作る。
自然界と同じことをただ、淡々とやるだけですね。
自然はシンプルです。
僕たちも自然の一部なので、自然の様にシンプルにいきたいと思っています。
そしてそれが何よりもエネルギーのあるものではないかと思っています。
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「お米さん」に対する思い!
なんというか、僕自身の生活については、「お米を作って生活できるだけでも十分ありがたい」と感じていて、自然豊かなところで農作物を作って自然と共に生きる生活は、とても幸福感があります。
いつも美味しくて、エネルギーのあるお米を作りたいと思っているのですが、自然が相手だけになかなか思うようにはいかないですね。
でもいかないからこそ、次はどうしようと考えたり、工夫したりしながらやるのが面白いですし、やりがいも感じますね。
毎日お米作りを楽しみながらやっています。
以前、僕は無農薬、無肥料の自然栽培のお米ならどれでも同じ様に思っていました。
しかし今はその様には思わなくなりました。
技術以上に作り手の「思い」・「熱意」・「愛情」がとても大切だと思うようになりました。
田植え後、毎日田んぼに行ってお稲さんたちとお話しをするのです。
「美味しく育ってくれてありがとう」
「素敵に育ってくれてありがとう」
「私たちを健康にしてくれてありがとう」
「私たちを幸せにしてくれありがとう」
って、言うんです。
お稲さんたちは何の返事もしませんが、きっと僕たちの声を聞いてくれていると思うのです。
そしてきっとお稲さんたちはそうなろうとしてくれるように思います。
毎日田んぼに行って様子を見ていると、お稲さんたちが次第に強く、たくましく、綺麗になっていく姿を見ると心から「ありがとう」って言いたくなるのです。
毎日の「食」を正すようになり、また僕も家内も、農薬や肥料を使わず、在来種で自然栽培・天日干しのお米を食べるようになってからは、サラリーマン時代はよく病院とか行っていたけれど、最近は全然行かなくなりました。
風邪も数年以上、引いていないくらい。
今、僕たちがお世話をさせていただいた「お米」を召し上がって下さったお客様が、少しでも健康で、元氣で、幸せになっていただけることが何よりの望みです。
是非僕たちが愛情を込めてお世話をさせていただいた自然栽培の、お米の加工品、食べみてくださいね。
少しでも皆様のお役に立てば嬉しいです。
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