調子を整えてくれる本葛の力
こんにちは。オーガニックライターの越野美樹です。
季節の変わり目には、体調を崩す方も多いですよね。
なんとなく調子が…という時に、我が家では葛に頼ることが多いです。
ご存知の方も多いかとは思いますが、
葛粉は片栗粉に比べて、とろみをつけるという点では同じですが、
体に対する作用は全く違います。
片栗粉はジャガイモデンプンなどから作られていて、
体を冷やす効果があるのに対し、
葛は、漢方で使われる葛根湯の原料としても知られている食材で、
体を温めてくれます。
また、葛の根にはイソフラボンが豊富に含まれていて、
女性ホルモン様作用も期待できます。
コレステロールや代謝をコントロールするサポニンも含まれています。
本物の葛を見分けるには
今、葛粉は大変希少なものになっています。
世の中には、葛が入っていないのに葛という商品名をつけたものがたくさんあふれています。
本来は葛粉を原料に使うはずの葛餅や葛湯なども、
今では葛を少量しか使わないか、全く使っていないものさえあるのです。
本葛の代わりに使われているのは、ほとんどがじゃがいもなど他のでんぷん。
商品の表面には葛の文字があっても、
裏面の原材料の表示には、葛の名前がないものもあります。
しっかりと商品の原材料の表示を見て、本葛を使っているものを選びたいものです。
葛の中でも、「本葛」「国産100%」と書いてあるものがオススメです。
現在、国内で本葛を加工する職人さんが激減し、
価格も高騰していますが、本物の葛を使うからこそ、体への効果が期待できるのです。
断食の代わりに取り入れたい葛練り
食欲はあるけど、なんだかもたれる。
調子が悪い時に、断食をすればいいのだけど、
全く食べないのもちょっと…そんな時、思い切って何食か葛食にすると、すっかり調子が整います。
体を温めてくれるうえに、消化がよく、水分を多く含んでいるので、
適度な満腹感ももたらしてくれる葛練り。
私は、ちょっとした不調の時には、ちょっと濃いめの葛練りを作ります。
葛練りの作り方
【材料】
- 本葛 大さじ1
- 水 200cc
- 葛粉50g
- 水300cc
- 豆乳300cc
- メープルシロップ50cc
- 必ず葛粉を水によく溶かしてから使うこと
- 葛は焦げやすいので、必ず弱火にしてから注ぎ入れること
- ダマができやすいので、注いだら木べらなどで混ぜ続けること
- 葛は生だと消化が悪いので、5分くらい火を入れること
- なるべく温かいうちに食べること
【作り方】
1.鍋に本葛と水を入れて、木べらなどでとけるまで混ぜる。
2.木べらで混ぜながら中火にかけ、ふつふつしてきたら弱火にする。
3.透明になってから5分ほど木べらで混ぜながらじっくり火を入れる。
こちらの分量は葛が多めの、食事がわりの満足感がある濃いめの仕上がりです。
熱が出たり、ちょっとした不調を超えて食欲がない場合は、
葛の量を半量以下に減らして、とろとろの状態がオススメです。
また、この濃いめの状態を少しずつラップに包んで輪ゴムで止めて、
ボウルに入れた水の中に落として冷ますと、葛餅が楽しめます。
メープルシロップやきな粉などをまぶして、おやつにするのも美味しいですよ。
RECIPE葛プリンの作り方
葛をおやつとして楽しむレシピです。
【材料】
【作り方】
1.鍋に葛粉、水、豆乳、メープルシロップを入れて木べらなどでとけるまで混ぜる。
2.木べらで混ぜながら中火にかけ、ふつふつしてきたら弱火にする。
3.透明になってから5分ほど木べらで混ぜながらじっくり火を入れる。
4.グラスやプリンカップなどに入れて冷まし、粗熱が取れたら冷蔵庫に入れる。
季節の果物やナッツなどを添えて、体に優しいおやつを楽しんでください。
葛粉は普段のおかずに気軽に使える!
葛は、食養やおやつだけでなく、普段のおかずにも使えます。
片栗粉の代わりに、葛粉でとろみをつける。それだけで、体に優しいおかずに変身します。
使い方も簡単。片栗粉と同じように、同量の水で溶いてから、とろみをつけたい素材に鍋肌から流し入れるだけ。
ただし、ちょっとした5つのコツを知っておくと、葛粉料理を消化よく、美味しく食べられます。
この5つのコツを守れば、普段のおかずが、体に優しくて、ぽかぽかと温めてくれる腸活おかずになりますよ。
野菜炒めのあんかけ、マーボ豆腐、あんかけうどん、
お豆腐や卵料理の上に使うなど、葛を普段のおかずに気軽に使ってみてください。
葛を使った薬膳カレーの作り方
葛は、普段のお料理にも気軽に使える食材です。
例えば、我が家のカレーは葛粉でとろみをつけます。
RECIPEガラムマサラ、チリペッパー、ターメリックなどのスパイスと、葛で作る薬膳カレー
鍋を弱火に熱して、お好みの油大さじ1を加え、お好きな野菜などの具材を木べらを使って炒めていきます。
油がまわったら、ターメリックを入れてさらに炒め、かぶるくらいの水を入れ、中火にかけます。
沸騰したらローリエを加え、火を弱めて具材に火が通るまで煮込みます。
ローリエを取り出し、ガラムマサラ、チリペッパーなど、お好みのスパイスを入れ、水溶き葛粉を鍋肌か加えて木べらなどで混ぜ続けます。

みそ、しょうゆ、すりおろし生姜などを加えれば出来上がり!
葛粉の量で、さらりとしたカレーにも、濃厚なカレーにも、お好みの仕上がりにできますよ。
水分を少なくすれば、ドライカレー風にも。我が家では、葛粉のドライカレーを使ってカレーパンを作るのが定番です。
スパイスと葛の力を合わせ持ったカレー、ぜひお試しください。
体に優しい国産本葛
本葛が体にいいのはわかるけど、価格も高いし、
食養まで手がまわらないし、使い方がよくわからない…。
そんな方も、普段のおかずに葛粉を使ってみてください。
体がポカポカしてくるのを感じるはずです。
葛は確かに安いものではありませんが、病気になって医療費を使うことを考えると、
未病のうちに予防として葛などの体に優しい食材を普段から取り入れておく方が、実は安上がりなのかもしれません。
そして、せっかくいただくなら、国産の、本物の本葛をぜひ使ってみてくださいね。
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