
現代社会における大量生産・大量消費から考える 「本当の価値」とは?
「カンボジアと聞くと、発展途上国というイメージを持つ方がまだいらっしゃるかもしれません。でも実は、どんどん発展していってるのです」と話してくれたのは、カンボジアと日本をつなぐ国際的な活動に取り組むEmiさん。取材を通じて、彼女が考える「オーガニック」とは、単に「無農薬・自然栽培」というだけではなく、「バランスがとれていてcomfertable (心地よいこと)」であり、それは「ありのままの姿であること、本質的であること」に近いのではないかと感じさせられました。
「便利さ」が優先される社会で、食べ物の本来の姿は?
いまの社会では、どれだけ多くの人に、どれだけ手軽に満足感を与えられるかが重視されています。特に食品業界では、利便性がより優先されるように進化していった側面もあります。「長持ちすること」「簡単に食べられること」「大量生産できること」――こうした条件が求められるなかで、本来の「食べ物の姿」は変化してきました。
そんな中で、カンボジア産「クイーン・オブ・カシューナッツ」の魅力を日本に広める活動を続けているのがEmiさん。いまでは国をあげて注目している農産物となりましたが、彼女が関わる国際プロジェクトの中心となっているのは、カンボジアのある地域にある工場です。
カシューナッツとコミュニティの発展
その地域では長らくカシューナッツが栽培されていました。水と緑の豊かな土壌で、常夏の太陽の恵みを受け、毎年大きな粒を実らせていたのです。しかしながら、様々な要因が重なり生産量が減少することもあれば、また加工の技術の問題で国内での量産が難しいことも課題となっていました。そこで、日本の技術を導入し、生産プロセスや衛生管理を改善。さらに製造工程の透明性を確保することで、カシューナッツの本質的な価値を高めていきました。
もう一つの大きなテーマは「雇用」です。工場では女性の雇用を促進し、若者たちも地元で働けるようになりました。
農家さんたちから適正な価格でカシューナッツを買い取ることで、村の収入が底上げとなり、村人たちは自分たちの手で加工した製品を日本へ輸出できることで自尊心が生まれました。これまで出稼ぎに行っていた男性たちも地元で生活できるようになり、家族とともに過ごす時間が増え、地域の暮らしが大きく変わっていきました。
そして、学ぶこと、知識を得ることの大切さを実感した大人たちは、子どもたちには教育が必要である、と知ることになるのです。
「援助」ではなく、「持続可能な仕組み」
国際援助というと、資金支援や物資の提供を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、Emiさんたちが目指しているのは、「彼らが自ら運営してゆく仕組みをつくること。」「首都に出てゆかずとも地元で働ける環境が生まれれば、産業として自分たちで成長してゆける良い循環となります。この地域をもっと良くしたい、と、実行する力を付けた若者たちが増えてゆくこと。それが持続可能であるサイクルだといえるでしょう。」とEmiさんは語ります。
「オーガニックとは、まさにこのことか!」――そう思わされるストーリーでした。
もちろん、このプロジェクトが成立するためには、カシューナッツが丁寧に消費者のもとへ届くことが不可欠です。Emiさんは「美味しくなくてはならない」と言います。お話を聞いていて、大切にしているのが「品質と価値」であると感じました。
カシューナッツの常識を覆す
実際に、「クイーン・オブ・カシューナッツ」を試食しました。 衝撃を受けたのは、その大きなサイズと立体的なフォルム。そして、ぎゅっと詰まった美味しさと栄養価の高さです。これまで食べてきたカシューナッツとはまったく違う、まろやかでクリーミーな味わいに驚かされました。IN YOU スタッフ一同も、「市販のカシューナッツが食べられない」と。
「日本には、まだ本当に美味しいカシューナッツが少ないのです」とEmiさん。
お菓子の原材料として見ても、たとえば、有名なジェラート店でもナッツのフレーバーはとても多いのですが、日本ではカシューナッツのフレーバーはほとんど見ないのが現状です。訊いてみると、こだわりの料理人、職人さん方々は「本当に美味しいナッツを手に入れるのは難しい」と感じているそうです。
しかし、カンボジア産「クイーン・オブ・カシューナッツ」を食べた職人の方は、ひと目、ひと口で価値をわかり、原材料として採用してからは、「これでこそ出せる味だ」と言います。
からだが採ったものがからだを作る
最後に、Emiさんに聞きました。カシューナッツとオーガニックは、どう繋がっているのでしょうか?
「からだが喜んで、満足できること。からだを気遣うことは、制限することではなく、栄養をしっかり取り入れること。そして、からだにとっての持続可能、を体現するものだと思います」。
Emiさんは「自分の採ったものが栄養になる。子がからだを作ってゆくその過程が目の前に現れて、オーガニックの真の意味を理解した」と言います。
からだの本質が喜ぶのは、まさに自然の恵みを受け、丁寧に製造されたオーガニックの食べ物。その味わいを知ることが、健康的な食習慣につながります。
味覚が変化する(=自然な食材の味を好むようになる)と、素材そのものの美味しさを感じ取る力が育ちます。これは、個人の健康だけでなく、質の高い食品を支える生産者や、持続可能な農業を守ることにもつながるのではないでしょうか。
「お子さんから大人まで、妊婦さんも安心して、美味しいおいしいと召し上がっていただける。作る人も食べる人も、みんながハピィなおやつとして、『クイーン・オブ・カシューナッツ』を日本のみなさんに伝えてゆきたいですね」とEmiさんは言います。
私たちが口にするものを選ぶとき、大切なのは「どこで、誰が、どのようにつくったのか」。
IN YOU MARKET は、そんな「安心できる選択肢のある場所」として、これからもあり続けたいと思います。
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