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熊本地震をきっかけに無添加ジャム作りをスタート。私が完全オーガニックのジャムを作る理由。

2020/02/04

バイト先で添加物を使って調理していたことに
疑問を感じオーガニック会社で経験を積む

学生の頃、働いていたアルバイト先では、添加物を使ったもので調理をしていました。
大量にさばく姿を見て、自分自身心のどこかで、「これでいいのかなあ」という疑問があったんですよね。

後に、ご縁あって、オーガニックの会社で4年ほど働きました。
そして、そこで色々と食のことや自然栽培の勉強などをしました。

10数年前、地元の熊本に戻りまして、レストランをやることになったのです。
阿蘇という土地は、山に囲まれているのですが、自然を生かした観光地。

自然に恵まれた地で、「どうせやるならオーガニックがいいんじゃないか」というのと、過去の経験的に食の事実を知ってしまった以上、添加物などケミカルなものを使うわけにはいかないと思って、必然的に、こだわりのオーガニックレストランを運営することになりました。

今はごく一部ですが家庭菜園を行ったり熊本の地元のオーガニック農家さんとかとつながりを作って食材調達をしています。
大変だったことは、「通常よりも少し高いお金を払ってオーガニック野菜の料理を食べる」という理解がない方も多く、難しいところでしょうか。

どちらかというと皆さん肉料理が好きで、野菜に対していいお金を払って、という感覚が一般的ではないのでしょうね。

熊本地震で出荷停止になって
大量に余った農家さんのいちごで
ジャム作りを始める。

実は、熊本地震の時、ちょうどいちごの時期だったんですよね。
中でも阿蘇はいちごの産地なんですけれど、地震で流通が止まってしまい、道が分断されて出荷ができない余剰のいちごがどんどん出てしまったんです。

結果地元の農家さんが、いちごの入った傷んだ箱を持ってきて、「これをどうにかしてくれないか・・」と。
大量のいちごをもらったけれど、さて、これをどうしようということで、困ってしまったのですが、それをきっかけに完全無添加のジャム作りがスタートしました。

でも意外と好評だったので、色々作ってみようと思い、今は完全農薬不使用の原料とオーガニックのものだけでジャムを作っています。

不自然なものを一切使わず、
オーガニックのジャムを作るのはハード。

日本ではオーガニックのいちごはとても貴重。
熊本でもおそらく、1件くらいしかないんですよ。

ジャムは思った以上に難しくて、最初は全然うまく作れませんでした。
通常市販のものは主に色はビタミンCなどを後から添加して出す場合が多いんですね。

何も使わず植物だけで作ると、鮮やかに色が出なかったり、完全オーガニックなので、ペクチン、クエン酸すら添加していないので、とろみを出すのも一苦労なんです。
それから保存の面でも、そういうものを使わず、いかに長持ちさせるかというのも大変苦労したところでした。

素材の良さを、なるべく感じていただけるようにあえて甘くしずぎず糖度をおさえています。市販のものはだいたい70−80くらいなのですがこちらは、50−60度くらい。
食材そのものの味を活かしたいと考えています。

感想としては、みなさま「とにかく美味しい!」って、ファンになってくれる人が多いですね。

商品の先にいる「生産者」への理解も、
もっと広がっていけばいいと思っています。

オーガニック農家さんのところに直接行く機会が多いのですが、実際にお話しすると、すごくいろんなことがよくわかるんです。

例えば、有機の肥料1つとっても、つい悪者と捉えられがちですけれど、彼らに聞くと、全滅してしまいそうな時に不本意だけれど、仕方がなく最後の手段で使ったりするケースもあるんだ、という話を聞きました。

オーガニックといえども製法含め、多種多様な考え方ががあります。
何が悪い、何がいい、だけではなく、ただ、僕としては純粋に貴重なオーガニック農産物の作り手さんたちに対して、リスペクトをしたいなあと思っています。

今、消費者が生産者のことについてきちんと理解することがすごく重要なんじゃないかなって。

なんだかんだ色々と問題はあるけれど、最後は人と人です。
人となりはとても大事だと思うんです。

お互いに協力しあって、人と人が繋がっていけば、自ずと解決することって、たくさんあると思うんですよね。
ですから「商品の先にいるオーガニックの作り手さんたちにも、商品を消費される際はぜひ意識していただきたい」そういう風に思っています。

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