
こんばんは、松浦 愛です。
今日も一日、お疲れさまでした。
このコラムを読んでいるあなたが、今日1日、どんな一日を過ごしたとしても、
この時間だけは、誰の目も気にせず「自分のため」にだけ使ってください。
そんな想いで、今夜も言葉を綴ります。
「比べて苦しい」時はありませんか?
私はもともと、人と比べて苦しくなることが比較的日常的に、当たり前でした。
中でも、心身の調子が悪くて体が思うように動かない時、
心の風邪をひいて何事にもモチベーションが上がらない時、
何もやる気が出なくて、なかなか新しいことに挑戦できない時期…
物事が停滞して上手くいかないと感じている時など
活躍している「他人」を見かけるたびに「なんで自分は…」と自己否定が止まらなくなってしまう
そんな癖がありました。
その影響できっと、身近な人には、迷惑をかけていたんじゃないかと思います。
“思うように身動きが取れない自分”
“周囲と比べて遅れている自分”
「本当にこれでいいのかな?」
そんな気持ちで、気がついた時には号泣していて、自分を否定しまくり、涙が止まらなくなったこともあります。
こんな経験、決して私だけじゃないと思うんです。
みんな多かれ少なかれ「比較」の罠にハマることがあるはずです。
とくにSNSや動画等が普及してから、「他人のキラキラ」を毎日目にするのが日常茶飯事になりましたよね。
それだけで「自分だけが止まっているor遅れている気分」「自分は世界のどこかに取り残されてるんじゃないか」という焦りが加速する..。
自分のペースや「生きる目的」を忘れて、どんどん「他人基準」で生きてしまう…
本当に怖い事象ですよね。
「本当の幸せ」ってどこにあるのだろうか?
よく言われるのは本当の幸せとは何かという問題です。
個人的な経験から思うのは、本当に幸せを感じる瞬間って、「他人に勝った」時じゃないんですよね。
私が「私の幸せ」だな、感じる時は..
案外かなり普通で、

◼︎家族と一緒にいる、たわいもない時間
◼︎週末、仕事のことを忘れてリラックスしたり、好きなことに没頭している時
◼︎比べるのではなく、「今はこれでいい」と思えた時
◼︎自分を労ってあげられた時
もちろん、「もっと成長したい!」と頑張るのも、大事です。
特に20代など、まだ何も必死に頑張ったことがない人は特に、最低でも一度、二度はそういう時間もないと、
将来的に「自分がやりたい」と思った時に何もできないとか、
守りたい人を守りたくても守れないような自分になってしまう可能性もあるのではないかと感じます。
だけど、それが「人と比べて自分を責めるため」になっていたら、どんなに実績や実力があっても、心は満たされません。
私自身は、大人になってから、心から「私の幸せだ」と思えるのは「自分を大事にできている実感」がある時でした。
「仕事がすべて」じゃない。世界の流れが教えてくれること
ここで少し、海外の話をしたいと思います。
たとえばドイツやフランス、北欧諸国(デンマークやスウェーデン、フィンランド)では、
“仕事=人生の全ての目的”ではないという考え方が広く定着しています。
フランスはEUの中でも「ヴァカンス大国」と呼ばれていて、法定有給休暇は年間30日超あります。
私が幼い頃に家族と訪れていた南仏では、パリなどの都会から来た人たちがビーチで寝そべって「何もしない時間」を贅沢に味わっていました。
ホテルでも、健康的に焼けた肌を見せた薄手の装いで家族や子ども達と談話する都会の人たちで賑わっていました。
OECDの調査でも、「人生の幸福度」自己評価が高い国ランキングで常に上位だったそうです。
また、フランス人の60%以上が「仕事は自己実現や社会参加のための手段であり、人生のすべてではない」と答えています。
デンマークやスウェーデンは「ヒュッゲ」や「ラーゴム」といった「ほどよく・自分らしい暮らし」を大切にする文化が根付いています。
World Happiness Reportでも、フィンランドが6年連続「世界幸福度1位」。
その背景には「仕事だけの人生でなく、家族・趣味・自分の健康・人生の意味」を重視する哲学があるとされています。
日本でも少しずつ「幸福度経営」「Well-being(ウェルビーイング)」という言葉が広がっては来たものの、実態はあまり伴っているように思えません。
それぞれの人生を豊かに楽しむという方向性ではなく、表面的に残業をさせないor働かせないだけの、浅はかな「ワークライフバランス」と呼ばれる施策が目立ち、仮に残業をそれほどしていないとしても「本質的な幸せ」までは感じられていない人が多いように思います。
何よりも他人と比べて、「自分の幸せの基準」を外に預けてしまいがちです。
経営者やリーダーは「自己犠牲が当たり前なので、決して、幸せになってはいけない」という固定観念
日本では、まだまだ経営者は「自己責任論」が強く、自分で立ち上げたのだから、責任も不幸も自分で背負うべき。
土日やバカンスなんてありえない、そんなものを取っていたらあっという間に会社は立ち行かなくなる。
つまり経営者なるもの、不幸であるべきだ。
責任を取るためには、何かあれば首さえもくくるべきだ。
そんな、非情な考え方が、当たり前に誰もが表立って口に出しはしないものの、「暗黙の了解」としてして長年一般的だったのではないかと思います。
名前は出しませんが、過去とある経営者が自死を選んだニュースが流れた後、
SNSではいたわる言葉よりも、「自業自得だ」とか、死人に口なしをいいことに、命がない人に対して、嘲笑する意見が目立っていたことが印象的でした。
なぜこのような現象が起きるかというと、おそらく他人を批判することで自分がマウントして、上に立った気になれる人、
自分では、何もリスクを取っていない、つまり何も成し遂げていない人が比率的に圧倒的に多いことで頑張る人を笑う風潮があることや、
人の失敗を笑うことで自分の立場を守りたい人がこの国には非常に多いからなのではないかと思います。
ただ、私自身はこの腐った風潮・考え方が蔓延している以上、働く人たちを幸せにすることは絶対にできないと考えています。
構造的に、雇用を生み出せるのはトップだけと考えると、本来はトップの人ほど、自分の心身の健康や人生の幸福度について、もっと優先し余裕を持つべきなのではないかとさえ思います。
自己犠牲を美談にしたがる人、必要以上に自慢する人に限って他人に対して攻撃的だったりする共通点が存在します。
これがさらに、エスカレートすると被害妄想をするようになったり、果ては精神疾患に陥りやすいことも忘れてはなりません。
「自分を犠牲にしない経営哲学」
海外の話に戻りますが、ドイツ、デンマーク、スウェーデンなどの調査によると、
経営者は「従業員だけでなく経営層自身も“人生の質”を最優先するべき」と公言する人たちが多くいたり、
デンマークや北欧諸国の経営者は、業績だけでなく自分や家族の幸せを同等かそれ以上に重視する傾向が非常に強いというレポートも、複数あります。
欧州では「長時間オフィスにいる社長=仕事ができる」ではなく、
「限られた高い成果を出し自分も社員も適正な時間に帰るリーダーの方が優秀」という価値観が強いのだそうです。
また、北欧スタートアップやオーガニックブランドの創業者インタビューでは「利益追求より創業者・経営者が心身ともに健康でいられることを最優先している」と語る例もあり、例えばフランス「SEBグループ」の女性CEOは「成功とは他者や社会との調和と経営者自身の心の安定」と定義しています。
彼らは、「あくまでも、仕事は自己実現・自己表現・社会に何かしらの価値を生み出すための手段であり、人生の目的や幸せそのものではない」という考えを持つ人が多いと言われる通り、家族や大切な人、そして自分が不幸になってまで働くという概念は随分前から時代遅れになっているということです。
自分の幸せを育てるには、どうしたらいいの?
では、どうやったら「自分だけの幸せの基準」を持てるのでしょうか。
正直、私も特段、強い人間ではありませんが、個人的な経験から大きな転機が訪れたのは、
「心身を犠牲にしすぎて、強制的にストップがかかったとき」でした。
忙しさに流され、心の声を無視して、無理を続けていたら、心身が悲鳴を上げたのですね。
泣きながら心の悲鳴を叫び、もはや立ち止まるしかなくなったわけです。
その時、「私は今まで外側の基準ばかり見て、自分の内なる声を無視していたんだな」とやっと、気付かされたんです。
「自分を守ること」は家族も守ること
家族や大切な人の期待ももちろん大事です。
なぜなら、やっぱり仕事をする大きな理由は、趣味や娯楽のためだけでなく、家族の健康、大切な人の生活、あるいは経営者ならば、従業員などの周囲の人を守るために存在していると思うからです。
でも、そのために我慢ばかり続けて、ストレスばかりの日々を送って、身を削って、すり減らしてしまったら?
その時は、本当に守りたい人も最終的には、守れなくなってしまいます。
「自分を守れるのは、自分しかいない。」
この真理は、どんなに自己犠牲をしても突きつけられるものだと痛感しました。
北欧の団体が出しているある資料によれば、「自分の健康・幸福を優先したほうが、家族・職場にとって、長期的にプラス」という研究データもあるそうです。
日常の中で「小さな安心」をつくる
じゃあ、どんな日常なら私だけの幸せを感じられるのか。
私の場合は、本当に小さなことが多いですが、
「食べたいものを食べたい時に、自由に食べる」
「ネガティブなフィーリングで心身がNOと言っている場合は無理せず何もしない自分も許す」
「体の声と、内なる直感に従う」
こんな「小さなOK」を自分に出すようにしています。
たとえば、
朝起きて「今日はフルーツを食べたいな」と思ったら、その気持ちを無視せず大切にするし、
あまりにも気持ちがダウンしていて、
気が向かない日は「今日は何も大事なことを決めなくていいや」と思い切って先延ばしにするようにしています。
これだけでも、「私、私を無視せずに、大切にできてるな。」と十分に感じられる。
外から見たら大したことないかもしれないし「え、そんなこと。」という感じかもしれませんが、
自分の基準で「心地いい」を選ぶことが、毎日を生きている実感につながるんです。
「正解は自分の中にしかない」
業界のトップで活躍している人たちも、「最初から正解を持っている」人なんていません。
ドイツのオーガニックブランド経営者は「私の幸せは、家族や仲間と健康な時間を過ごせること」と公言し、チームの心地よさを重視し、
フランスに根付く「美味しいものをゆっくり味わう」時間も、外の評価や生産性じゃなくて「自分たちの幸せ」を優先する姿勢ですよね。
北欧の起業家コミュニティでも「Perfect is the enemy of good(完璧は善の敵)」という格言が浸透していると言います。
つまり「自分のペース」を守ることを重視されているという日本とは全く別の考え方を持つ人たちもいるわけです。
つまり、みんなと同じじゃなくていいし、無理に足並みを揃える必要もないのです。
「私はこれで幸せ」と思える基準を、一人ひとりが持っていいと思います。
そしてそれこそが、「長く続く幸せ」なんだと感じています。
経営者として見逃されがちだけれど、実は、大切なことは?
正直な話、私は、誰かを率いる立場の人or経営者として大切なのは「自分自身がこの仕事を面白いと感じられているかどうか」だと思っています。
仮に、数字追いかけても、自分自身がおもしろい/ワクワクする!という感覚を持てなくなった瞬間、新しい発想も、イノベーションも、ピタッと止まってしまうのを何度も経験してきました。
人は正直なので、面白いと思えないものに対しては斬新なアイデアもクリエイティブな能力も発揮できない、ということです。
一つの仕事を長く続けていると、どうしても日々の業務やトラブル対応に追われて、本来は好きだったはずの仕事が「作業」や「義務」に変わってしまう時があります。
けれども、その状態でどれだけ頭をひねっても、お客様やメンバーの心を動かすレベルの新しいアイデアや価値など、生まれません。
私自身、「自分の心が動かないこと」「面白くないな」と感じるものに対して関わり続けていた時期は、
結果的に何も生まれなかったし、社内の空気もどんよりしていきました。
でも逆に「自分がやってみたい!」という気持ちで動いた時は、周囲を自然に巻き込めたり、想像を超える結果を出せたことを体験しています。
実際、世界的に有名な北欧のイノベーティブな企業の多くは、創業者や経営陣が自分が一番面白がっているか?を常に自問自答しながら事業を作り変えているそうです。
義務感・努力・面白くないけど歯を食いしばって頑張る
こんなリーダーからは客観的には真面目な人かもしれませんが、何も生まれないどころか、衰退と、停滞を招くということなのだと思います。
「自分の幸せの基準」は、今ここから変えられる
私が伝えたいのは、
「誰かの真似や、世間の正解を探し続けても、正解などないし、自分の心は本当に満たされない。
本当の幸せは自分だけの基準を少しずつ育てていく中でしか見つからない」ということです。
どんなに小さなことでもいいし、今日できなくてもいい。
でも、「この瞬間は自分を大事にできた」と思える夜を、ほんの少しずつ増やしていくだけで大丈夫。
それだけで、昨日よりも今日の自分を好きになれたり、
人の目が気にならなくなったり、幸せだと感じられる平和な時間が増えていきます。
今日、あなたが「自分で決めた幸せの基準」はなんでしたか?
他人と比べずに自分を褒めてあげられた瞬間
家族や大切な人と笑い合えた一コマ
SNSの「いいね数」じゃなく、今日の私を少しでも認められたこと
たとえそれがすごく地味で、小さな一歩でも焦らなくて大丈夫です。
自分を大切にできたなら、それはきっと「あなた基準の幸せ」なのだから。
この練習は、前回のコラムでもお伝えしたと思いますが、すぐに身につくものじゃありません。
時には比べて落ち込んだり、Twitterの世論に振り回されて「やっぱり自分ってダメだ」と思う時もあるかもしれない。
でも、「私は私でいい」と少しずつ思えるようになると、不思議と、世界が優しいものに変わっていく。
それでいいんです。
どうか、今日は「自分の幸せの基準」を、他人じゃなく「自分の心」に聞いてみてください。
あなたの毎日が、小さな安心とあたたかい自己肯定感で満たされますように。
おやすみなさい。
またお会いしましょう。
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