日本初の有機JAS認証キムチ誕生までの物語「健康と誠実さ」を追い続けた職人の5年

IN YOU MARKET編集部が出会ったある職人の話です。
15年以上にわたり、健康食品やサプリメントの企画・製造に携わってきたその人物は、

ある日ふと、自身の手で「本物のオーガニック食品」をつくる決意を固めました。
そのきっかけは、海外のスーパーで目にした“当たり前の光景”と、日本の現実との落差でした。

海外で見た“オーガニックが日常”という文化

ドイツのスーパーを訪れたとき、棚一面に並ぶ有機認証マーク付きの食品に目を奪われたと言います。
「ここでは“オーガニック”は特別なものではないんだ。日常の選択肢として存在しているんだ・・。」

東南アジアでも同じ体験をしたそうです。
自然派コスメや無添加食品が、当たり前のように並び、人々が自然と共に生きている光景。

帰国して日本のスーパーを歩いた時、手に取った“オーガニック風を装うあるアイテム”の原材料表示を見て愕然としました。

「オーガニック原料はたった一つ。他はすべて一般原料....」

それでも堂々と「オーガニック」と謳われている現実。
その瞬間、彼は心の中で決めたと言います。

「自分が本当に納得できる“本物のオーガニック食品”をつくろう！」

日本に“有機キムチ”がなかった時代

当時、日本国内には有機JAS認証を取得したキムチは存在しませんでした。
「なら、自分たちで一から作ろう。」
そこから5年に及ぶ挑戦が始まります。

原料探しはまるで宝探し。
「これだ」と思う素材があっても、有機JAS認証が取れていなければ使えない。
ようやく見つけた有機素材でも、味のバランスが取れなければまたやり直し。

試作、失敗、再挑戦。
味と認証の両立は、まるで細い綱の上を歩くような日々でした。

「健康食品って、健康なのか？」職人の葛藤

彼は長年、健康食品業界の最前線で働いてきました。
しかし、ある時から疑問が生まれたと言います。

「果たして、この製品は本当に人の体に良いのか？」

コスト削減や製造効率を優先するあまり、

健康効果とは関係のない添加物が使われることも多い。
もちろん、それ自体が悪ではない。
けれど「職人としての誇り」は、そうした妥協を許さなかった。

「だったら、自分の手で、心から良いと思えるものを作ろう。」
そこから、彼の挑戦は本格的に動き出しました。

発酵という“生命の営み”に魅せられて

世界中を回る中で彼が気づいたのは、「どんな国にも発酵食品がある」ということ。
ヨーグルト、味噌、チーズ、キムチ。
どれも人の体を整え、命をつなぐための知恵でした。

彼の記憶に残っていたのは、祖母が漬けてくれた自家製キムチの味。
辛すぎず、野菜の甘みが生きていて、食べると体が温まる。
あの記憶こそ、理想のスタートラインだったのです。

そこから、乳酸菌の働きや塩麹・味噌の発酵温度、野菜ごとの糖度バランスを研究。
発酵という“生きている工程”を自らの手で確かめながら、少しずつ理想に近づいていきました。

5年かけて生まれた「サラダのようなキムチ」

完成までにかかった時間は、構想3年、開発2年。
合計5年。

彼が目指したのは、「食卓に寄り添うやさしいキムチ」。

国産の有機キャベツを中心に、有機大根・玉ねぎ・人参。
甘みを生む有機りんごやバナナ。
まろやかさを生み出す有機味噌・塩麹・トマトピューレ。
そして自然のうまみを引き立てる有機アガベシロップ。

唐辛子の刺激ではなく、野菜と果実の自然な旨味で構成された新しいスタイル。
まるでサラダのように軽やかで、辛さが苦手な人でも楽しめる味わいに仕上がりました。

腸から美しくなる「食べる健康食品」

自然発酵で生まれる乳酸菌は、腸内環境を整え、免疫を高める“天然のプロバイオティクス”。
有機りんご酢や塩麹を加えることで、腸から体のバランスをサポートします。

科学的にも、腸内環境と免疫力の関係は明らかになっており、
「免疫細胞の約7割は腸に存在する」との報告もあります。

彼の作るキムチは、ありふれた食品ではなく“食べる健康習慣”。
それを毎日の食卓に自然に取り入れてほしい。

そんな想いが込められています。

“落語”が教えてくれた、ものづくりの本質

意外にも、彼の開発を支えたのは「落語」でした。
移動中に何十枚ものCDを聴くうちに気づいたことがあるといいます。

「落語には、無駄な言葉が一つもない。」

何百年もの間、語り継がれるうちに、必要な言葉だけが残っていった。
それはまさに“オーガニック”の思想そのもの。
不要なものを削ぎ、必要なものだけを残す。

その哲学が、彼のものづくりの軸になりました。
素材も言葉も、必要なものだけを残す。

無駄のない味づくりこそ、彼が追い求めた“完成の美”だったのです。

味の裏にある、ひと匙の工夫

化学調味料を一切使わず、深いコクと旨味を出す。
この壁を越えるために、ヒントを得たのは意外にもイタリア料理でした。

トマトや玉ねぎの甘味、味噌の発酵香、果実の酸味。
それぞれが層をつくり、和洋の発酵が重なっていく。

そうして生まれたのは、子どもでも食べられる優しい辛さと、
ワインにも合う奥深い味わい。

食卓のどんなシーンにも寄り添う、“新しい日常の発酵食”が誕生しました。

日本初、有機JAS認証キムチの誕生

こうして生まれたキムチは、ついに日本初の有機JAS認証を取得。
すべての原材料がオーガニック。
化学調味料、保存料、香料、すべて不使用。

職人の手作業で作られるため、ロットごとに味や発酵の表情が少しずつ違う。
その“個性”こそが、自然発酵の証です。

「オーガニックだからこそ、美味しくなければ意味がない。」

その信念のもと、一つひとつの瓶に、5年分の情熱が詰まっています。

編集部からのメッセージ

IN YOU MARKET編集部としても、このキムチは唯一無二と言える品だと感じます。
オーガニックという言葉があふれる今、
「体と心に寄り添う本物の食べ物とは何か」を思い出させてくれるからです。

まるでサラダのように軽やかで、
発酵の奥にやさしさと力強さが同居する味わい。
食卓に置くだけで、家族の会話が温かくなるような存在。

“健康を売る”のではなく、
“誠実さを届ける”。
それが、この職人の作品の本質だと私たちは思います。

無添加・無化学調味料・全素材オーガニック。
5年の歳月をかけて完成した「日本初の有機JAS認証キムチ」。

日々を整えたいすべての人へ。
ひとくちで伝わる、本物のオーガニックを。