
こんばんは、松浦 愛です。
今日も一日、おつかれさまでした。
このコラムを読んでいるあなたが、もし今、何かに追われている気持ちだったり、
常にやらなきゃいけないことが山積みで気持ちが張り詰めているなら、
この数分間は、肩の力を抜いて、ふーっと息を吐いてみてください。
実は私も長年、経営者として、同時進行であらゆる案件を抱えてきました。
数分刻みの複数商談、メールの返信、チームとのミーティング、チャットの通知、企画の検討、気乗りしない事務系のタスク、それに加え家事などプライベートのこと…。
それを全部同時に回す「マルチタスクこそ正義」「できないと人間失格」みたいな価値観の世界に生きていたんです。
でも、振り返ると、そういった生き方は、自分のエネルギーを大きく乱していたかもな、と今では思います。
The “heaviness” of multitaskingマルチタスクがもたらす「重さ」
マルチタスクを続けると、確かに猛烈に忙しく働いている気持ちにはなります。
充実している感や、頑張ってる感は自分で十分に感じられます。
でも、長い目で見ると、一つ一つの仕事が雑になっていたり、
魂を込められなくなっていったり、ミスが増え、イライラや自己犠牲感がじわじわ積み重なっていく..
例えるなら「重いエネルギー」になってしまい、安心感、軽やかさが消えていく感覚です。
脳科学的にも、メディア・マルチタスクの習慣は記憶力や集中力を下げる傾向があり(スタンフォード大学の研究などで指摘あり)
心理学界隈では「生産性が最大40%も低下する場合がある」とされる論調もあります。
つまり、同時に色々こなすほど、結果的には効率や成果も下がってしまうわけです。
Things I noticed when I returned to doing things “one at a time”「一つずつ」に戻して気づいたこと
他のコラムでもお伝えしましたが、ある時、私は心身を酷使しすぎて、強制的に立ち止まらざるを得ない状況になりました。
そこから、意識的に「一つのことに集中する」という生き方に切り替えたんですね。
もちろん、最初は正直、これでいいのか?と焦りも感じましたし、
「これもあれも同時にやらないと間に合わないかも。」と不安にもなりました。
でも、不思議なことに、諦めて一つずつ進めると、むしろ作業のスピードも上がるし、集中力が上がることに気がつき始めました。
たとえ、納期ギリギリでも、焦らず冷静に判断できるし、無理をしていないのに納期に間に合うのです。
何より、一つの作業に魂を込められるようになり、急かされてやっているわけではないので
その仕事自体も、「案外嫌いじゃない」と思えるようになる。
逆に、マルチタスクが過剰な時は、その仕事への愛情すら失って、仕事🟰重いイメージ・嫌なイメージになっていたのですね。
Changing your energy changes your realityエネルギーが変わると現実が変わる
シングルタスクに切り替えると、私の状態は一気に安定しました。
そして、「軽さ」と「安心感」が戻り、直感も冴えるようになりました。
間接的な効果で言うと精神的なイライラが減るので、相乗効果として公私の人間関係のトラブルも減り、
相手を自分の器で許せるようになったり、自己否定や自己嫌悪の時間が減ったのです。
エネルギー波動が高い状態=心地よく集中している状態は、似たような出来事、人を引き寄せやすくなると言いますよね。
一つの作業に集中していると、余計な雑音が減るので、必要な情報やサポートもタイミングよく現れ、急ぎの案件も意外とサクサク終わるようになります。
Nordic/European “one thing at a time” culture北欧・欧州の「一つずつ」文化
ドイツやスウェーデンでは、経営者やリーダーが意識的に「集中ブロックタイム」を取り入れるといいます。
あるIT企業の事例では、午前中は完全に通知を切り、一つの業務だけに没頭する文化を社内全員で徹底。
その結果、社員のストレス指数が下がり、納期遅延が減少したという報告があります。
フランスのワークスタイルも印象的です。
「ヴァカンス大国」と呼ばれるこの国では、仕事もプライベートも一つずつを大切にしています。
働く時は働く、遊ぶ時は遊ぶ。
食事中はメールを見ず、バカンスの際は、仕事から離れる。
それが結果的に創造性や幸福度を高めることが、文化的にも理解されているのです。
私がやっている簡単な方法を紹介します。
明日から試したい一つずつリスト
- 朝、タスクを重要度順に並び替える
- 重要なタスクのを「心が軽くなるもの」からカレンダーに登録していく。この日にこれをやる、といった形で。
- “追われている感覚”を手放すために、集中時間は、通知を切る、無理に電話には出ない
- 「一つずつやれば必ず終わる」と口に出して言う
- 大仕事が終わったら自分とのお疲れ様会を開く。お茶を飲むでもいいし、美味しいサワーを飲む、ご褒美のもの食べるでも。少しでも心がときめくことをやってみる。そして「お疲れ、自分」と言ってみる。
余談ですが、私自身、大事な作業中は、いくら電話が来てもあえて出ないという選択をとっています。
私自身のメールアドレスを知っていたり、留守電につながれば、この時代いくらでも用件は伝えることができます。
他の人に伝言を伝えることだってできるはずです。
ちなみに、有名な経営者で大きな組織のリーダーをこなす人の中にも、あえて「電話は出ない」という人が多くいます。
理由は「集中が削がれるから」というものが大きいと思うのですが、
急ぎではない(自己都合の)どうでもいい連絡や、メールで済むようなものでも電話をしてくる人が世の中には大変多く、
自分の自分を守れなくなるからという理由が代表的です。
確かに、電話に出たことによって、相手の一方的な都合に合わせることになり、ろくな結果を及ぼさないケースも往々にしてあります。
例えば口頭だからこそ感情的になりすぎて、余計なトラブルに巻き込まれたり、発展するケースもあると思います。
それによって仕事が中断されるだけでなく、自分のエネルギーレベルも下がってしまうなら本末転倒です。
ちなみに、その割には、私はこれまで、「メールの返信が遅い」とか、「納期が遅れていてありえない」
などと私自身の仕事のスピードを外部から指摘されたり、ガミガミ言われた経験がほとんど一度もありません。
それどころか、周囲からは「納期よりもかなり前に仕上げてくれて助かる。」と言われてきました。
むしろ相手の方が遅く、私は「リマインドする側」のことが多かったように思います。
それでも、誰よりも、落ち着いて焦らず仕事をしている上に、特段無理をしているわけではありません。
むしろ最高にリラックスして、焦るエネルギーは極力自分の中から排除し、一つひとつの作業を気楽なスタンスでやっているからこそ、自然とそうなるのだと思っています。
私にとっての仕事の進め方は、「焦って終わらせる」ではなく「リラックスした流れの中で進める」ことです。
この落ち着きこそが、高い成果を生むのではないかとも感じます。
The impact of “hurried energy”「焦りのエネルギー」が残す影響
私が実感したのは、「間に合わない」「早くやらなきゃ」という焦りのエネルギーで進めた仕事は、その後もネガティブな余韻を残すということ。
焦りながら仕上げた制作物にはミスがあったり、相手に渡した後に、モヤモヤが残ったり。
焦りの状態で行動すると、よくないエネルギーがそのまま形として残ってしまうのです。
それから、気が進まないのに無理やりやった仕事ほど、修正やトラブルが発生する確率も高い。
これはビジネスでもプライベートでも同じですが、「心がNOと言っている状態」でイヤイヤやることに良い結果はついてこないものです。
途中まではうまくいったように見えても、最終的には大失敗したり、最後には何も残らないことが経験上、圧倒的に多い。
もちろん、自分という人間だけでなくそこに携わっていた人たちのエネルギーの質も、大事です。
例えばスタッフや技術者たちが仕事に対して、イライラしていたり、あるいは「失敗すればいいのに」だのと考えて内心では妥協していたらそのエネルギーの余波が残り、失敗の確率が圧倒的に高くなる。
これも私の長年の経験から感じています。
Using your calendar to work “one thing at a time”一つずつ進めるためのカレンダー活用
もちろん、仕事や締め切りなど、急ぎの案件があるときはある。
ですが、それすらも上手く進めるコツはあります。
私がやっているのは、そのタスクを見て「こんなに忙しい」などと、わめいたり焦るのではなく、
やるべきことを余裕のある時間帯に、箇条書きで書き出し「これはいつやろうかな」と冷静に考えること。
たまたま今は体調が悪くて、考える余裕がないなら次の日でもいい。
例えば、私は週末でも、気分が整っていたら仕事をするのですが、
その理由として、週末の方がむしろエネルギー的にリラックスしていたり、ほとんど、メール・チャットが来ないことで、思考が落ち着いているというものがあります。
「週末にも仕事をしないといけない!」という義務感からではなく、
単純に、週末に向いているタスクとそうじゃないものがあるわけです。
思考を使う類のもの、落ち着いてやった方がうまくいくものは、思い切って、平日に急ぎでやるのではなく、週末にマイペースに仕上げるタスクにする。
そのうえで、「この日にやるとスムーズに進みそう」という日をGoogleカレンダーに登録していきます。
この時大事なのは、ただ締切日から逆算して義務的に予定を入れるのではなく、自分のコンディションが良さそうなタイミングを意識して選ぶこと。
そうすると、不思議とそのタイミングになると「嫌だな」という重い気持ちが軽くなっていたり、気持ちよく取りかかれて結果的に質もスピードも上がります。
Scheduling to lighten your energyエネルギーを軽くするスケジューリング
スケジューリングは、時間管理ではなく、自分のエネルギー管理だと考えています。
「この日はこの作業を進められそう」
「気分が上がりやすい」
「この曜日はゆとりがある」などなど自分のリズムに合わせる。
もちろん今日やらないと大変なことになる!留年する!などの明らかに人生を変えるレベルの致命的なものは別ですが、
はっきり言って、そこまで引き伸ばさなくても、私がお伝えする方法を見て、順番にやっていけばそもそもそんなトラブルにはなりにくいです。
これができると、日々の行動のエネルギーが軽くなり、いわゆる「ポジティブな現実」も、起こりやすくなります。
Boundaries & Flow区切りをつける勇気と、流れに乗る柔軟さ
そして、最後に大事なのは、ひと段落、区切りを決めること。
「今日はここまでやろう」と、自分でゴールを設定したら、そこまでで終える。
特に、体調やコンディションが「今日はもうNO…」と言っているときは、体の反応を見て、区切りを意識してください。
逆に、最初は「ここまでにしよう」と思っていても、体調が絶好調で、気分がノリノリで音楽でも聴きながら、楽しいエネルギーの中でやれているなら、もっと延長してもOKです。
ストレスがなく、コンディションがウキウキで良ければ極端な話、
多少夜更かししたり、あるいは多少残業しても、突然健康に支障が出ることは、まずありません。
反対に嫌々やっていたり、常にストレスを感じていて、何ひとつ捗っていないのにダラダラとやっていると
成果は大したことがないの割に、健康も害してしまうことがあります。
「やらなきゃ」ではなく「やりたいからやる」で進めた仕事は、仕上がりにもポジティブさが残ります。
そしてそれを公にしたり、誰かに渡すならその相手にも伝わってしまいます。
それが「お仕事の怖いところ」ですね。
ちなみにこれは聞いたことがあるかもしれませんが、仕事以外だと、料理でも同じです。
作っている人が怒り狂っていたり、恨みつらみぐちぐち言いながら作られた料理で本当に健康になることは難しいはずです。
だからこそ、何事も自分の心身と向き合うことと、波に乗るのバランスを見極めることが、大事なのです。
Living with “light energy”「軽やかなエネルギー」で生きる
大切なのは、量より質。
つまり、いかにマルチタスクをするかより、自分自身の心の状態と、エネルギーの安定です。
一つ一つ進めることは、成果だけでなく、幸福感も引き上げます。
これはビジネスだけでなく日常生活にも言えます。
料理をしながら、落ち着きなく仕事のことを考えるのではなく、「旬の香り」を感じながらウキウキで野菜を切る方が、ずっと満たされる。
私もかつては何かをしながら他のことをするという習慣を、歩いている時にすらやっていました。
しかし、その結果、物を無くしたり、危険な目に遭ったり、怪我をしたり、忘れ物をしたりと、明らかにエネルギーが分散してしまって良くない目に遭うことが多かったと思います。
家族と話す時も、ずっとスマホを見ながらより、その瞬間だけに集中した方が、心が通じ合います。
エネルギーが整っていると、物事は不思議とスムーズに流れていきます。
何より、盲点は、「間に合わない」「終わらない」という現実自体が、実はあなたが作っていることが多い。
自分の被害妄想や、思い込みによって「現実をより不幸なものに仕立て上げる天才だった!」という自作自演の場合もあります。
これは何も、重度の鬱や精神疾患の人だけではなく、自分を追い詰めやすい人、自己肯定感が低い人なんかにも同様の事象が起こります。
思い当たる節はありませんか?
焦りの気持ちでやっているから、漏れが多くなったり、失敗が増える。
あなたも、今日の終わりに、もし今日明日やることがたくさんある気持ちになっていても、一旦はこのお話を思い出してください。
そして、まずはやることを一つ決めて、その一つに、あなたの全部の魂と意識を注いでみてください。
その瞬間、あなたの視界がスッキリ澄み渡り、現実も変わり始めるはずです。
おやすみなさい。
また次のコラムでお会いしましょう。
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