都会、田舎、どこにいても環境にいいことは、今すぐできる。
もともと私は服の仕事をしていて、環境問題などにも昔から強い興味関心があり、何かしたいというのはあったんですが、「自分一人の力ではどうにもならない」と内心、思っていた部分がありました。
でも改めて「自分の力でもたくさんできることはあるし、案外そうではないかもしれない。」と考え直したんですね。
環境やオーガニックについて、これから行動を起こすにしても、全員今すぐオーガニック野菜を使って自給自足しないといけないわけでもないし、基本的にはどこにいても、環境にいいことって、できるんじゃないかなと。
特に震災以降、強く意識するようになりましたね。
だいたい、大抵環境問題の根本は、自然豊かなところではなく、都会の方に原因があるので。
ものづくりにおける私の考えは「買う人の気持ち」と「作る人の気持ち」を理解するという点。
「誰かの貧しさ」を利用して作った労働対価に見合わない安価な商品ではなく、良質な素材で作った対価に見合ったものを。
世の中、対価に見合わないような安価なものってたくさんあるじゃないですか。
大量生産で激安で売られているものとか。
100均とかで結構いいものが売られていることもあります。
でも、結局安いものって、作られては捨てられて・・の繰り返しですよね。
しかも、激安商品は大抵日本では作れないんです。
貧富の格差を利用して、貧しい国でものを大量に作ったりしている現状が、「安いもの」の裏側には、あるわけです。
けれど、自分でものを作り出した時に、「ものを作るのって本当に手間がかかるなあ」と思ったんです。
散々大量に物は溢れているわけで、これ以上似たようなものや不要なものを作る必要は、正直、ないなって。
こんな時代、どうせものを作るなら「何かの問題を解決するもの」「人の役にも立つようなものがいいなあ」って思ったんです。
例えば、環境を改善することに繋がるものとか。
単に自分が作りたいものを作るのではなく、世の中の問題解決の一端となるようなものづくりを常々考えています。
例えば一番初めに作ったのは、「ホタテ貝殻の粉」というもの。
「ホタテ貝殻の粉」にデザインを加えていきました。
ホタテ貝殻は土に還らないことで漁業廃棄物としての問題でした。この製品は循環にもなるし、環境に優しくあらゆることに使えるんです。
パッケージも紙管や金属などを使用し、可能な限り土に還る、リサイクル可能な素材を使用することを心がけています。
大変だなと思ったことは、結構わかりにくい商品が多いから、うまく魅力を伝えることですね。
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あとは素材に携わっていたので、ヘンプにも親しみがあります。
今でこそヘンプは一般的になりましたが、少し前は麻=大麻と何が違うのかを知らない人もいましたからね。
麻といってもたくさんの種類があり様々な呼び方をされています。
オーガニック、自然のマテリアルに興味がない人も多いので、どういう風に伝えればいいかは、これまで苦労した点です。
新しい技術で何かを生み出すのではなく今あるものを見直してより良いものに変える工夫を
発想の転換で、昔ながらの自然界に存在する素材も一捻りして、「実はこういう風に使えるんじゃないか」とか、アイデアを考えることも大切にしています。
時代が変わりゆく中、新しいテクノロジーとかもどんどん出てきますが、昔ながらのマテリアルを有効に使えば、生活に役立つものも作ることが可能なんです。
新しい技術で何かを生み出すというよりは、改めて今あるものを見直して、それをより良いものに変える、ということをしていきたいと思っています。
私自身の目標として、石油由来のものや、プラスチックを極力使わなくてもいいような生活をしたいというのがあります。
無理をしなくても、「普通に使える」。
そんなコンセプトのオーガニックプロダクトをこれから皆様にお伝えしたいと考えています。
ぜひ昔ながらの素材を使った、オーガニック商品、使ってみてください。
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