発酵堆肥と米ぬかを中心に栽培し、草むしりや害虫対策も全て手作業。手間暇かけて大切に育てたスーパーフードのビーツとは | IN YOU Market|厳選オーガニックショップ-食品・コスメ・サプリ


発酵堆肥と米ぬかを中心に栽培し、草むしりや害虫対策も全て手作業。手間暇かけて大切に育てたスーパーフードのビーツとは

2019/10/15

最近、新たなスーパーフードとして注目を浴び始めたビーツ、召し上がったことはありますか?

「ロシア料理のボルシチに入っている野菜」として知られていますが、実はとても栄養価の高い野菜で、

エステ業界やスポーツ業界からも熱い視線が注がれているのです。

今回は、九州で有機栽培のビーツを生産している矢神さんにお話を伺いました。

ビーツの栽培を始めて、8年。手探りでやってきたことがようやく軌道に乗り始めました

弊社はもともと、父がほうれん草農家を経営していました。

私はサラリーマンをしていたのですが、実家にUターン就農し、ほうれん草栽培に関わっていたのですが

「何か特徴的な野菜を作りたいな」と模索していたんです。

そんな時、福岡市のマルシェでビーツに出会いました。

独特の存在感と色合いに魅了されたんです。

指導者もなく、試行錯誤のビーツ栽培

通常農家が、新しい作物の栽培を始める時には農協などから営農指導員の方に来てもらったり

地域振興局の農振職員から栽培技術を習得します。

でも、ビーツは日本では作っている人も少なく、特に九州ではレアな野菜だったので

ビーツの情報がほとんどありませんでした。

結局、タネも栽培に関する情報も、ネットにわずかばかり見つけたものや

タネの袋に書いてある情報だけを元に栽培を開始しました。

実は、ビーツはカブのような形をしていますが、ほうれん草と同じアカザ科なので、

我々の農園で培った栽培技術を元に試行錯誤を繰り返しました。

やっと栽培が出来るようになったのに、今度は売れません!

最初の3〜4年は失敗の連続でしたね。

指導者や頼る人もいませんし、ビーツ自体が寒い地域の野菜なので、こことは生育環境も全く違います。

生育に適した気温を探るために、1枚の畑に、1週間ごとに植え付けのタイミングをずらして

6期作ってみたり。

そんな風に試行錯誤を5年ほど続けてようやく栽培基準を確立できたんです。

ところが、栽培できるようになったはいいのですが、マイナーな野菜なので売れないんです!

無理にお願いしてスーパーに置いてもらっても、廃棄処分になってしまったり。商売にならないんです。

そこでネット販売を始めたところ、徐々に売れだしたのですが、、、。

今度は安定供給できないという問題が発生しました。

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収穫時期と需要のバランスをとるのに苦労した結果が今のスタイルです

九州産ビーツは収穫時期が短いんです。通年収穫できるわけではないので、

収穫時期には捌き切れませんし、

逆に収穫時期以外はお客様の欲しいという要望に答えられないわけです。

せっかく手塩にかけて育てた作物を、捌き切れなくて畑に鋤きこむのはやり切れません。

そんな経緯を経て、

短い収穫期で長く供給するための手段として、乾燥野菜と冷凍野菜の販売を始めました。

乾燥野菜

乾燥野菜に関しては、元々はビーツ粉末用に作っている乾燥チップだったんです。

それをお客様から

「煮出してお茶として飲みたい」

「レッドスープに入れたい」

と要望があり、商品化することになりました。

乾燥することで水分が抜けて、栄養価は20倍に凝縮されるので、

栄養価の観点から見ても乾燥野菜にはメリットが大きいと思います。

粉末ビーツ

ビーツは赤い色素がとても美しいので、九州だけでなく関東方面のレストランなどでも使っていただいています。

ケーキやパン、ワッフルやクレープの生地に入れると

ストロベリーのような美しいピンク色が出るんです。ビーツの風味もわからないですよ。

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業務用として製造していましたが、個人用に使い切りサイズが欲しいという声をお客様からいただいて、

スティック化して販売しました。

個人のお客様は、そのまま水やジュースに溶かして

青汁の飲むような感覚で「栄養ドリンク」として使ってくださる方が多いですね。

商品として販売する際には、

余分なものを入れたくなかったので、純粋にビーツ粉末100%で販売したのですが、

「もっと溶けやすくして欲しい」というご要望をいただきました。

一般的には、粉末製品の場合には溶けやすくするためにデキストリンなどを入れるのですが、

安易に使いたくなかったので、顆粒化することで溶けにくさを克服しました。

パッケージも、素敵なものにしたいと人気デザイナーさんに頼んたので

だいぶ時間がかかってしまったんですが、その分品格のあるものができたなと嬉しく感じています。

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冷凍ビーツ

冷凍ビーツは一番生食に近い感覚で食べていただけると思います。

乱切りの形で提供しているのは、需要の多いボルシチやスムージーにするのに適したものに

するためです。

自然解凍しても、ビチャビチャと水が出たりしないので、スライスしてサラダなどにもオススメです。

弊社のビーツを使ってくださっているレストランでは、

冷凍ビーツの提供方法としては、スライスしてサラダに使われることがほとんどのようです。

他に、ご自宅で試していただくのならばピクルスも人気ですね。

大根のような食感なのでお味噌汁に入れる方もいらっしゃいますが

汁の色はすごいですよ。(笑)

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この場所だからこそ栽培できたビーツ。もっと皆さんに知っていただきたい!

私たちがビーツを栽培している球磨盆地は温暖な九州の中にありながら

冬場はマイナス10度以下にもなることがある内陸性の気候です。

もともと寒い地域の野菜であるビーツの栽培に成功したのは、この盆地特有の寒さのおかげです。

ビーツが体に良い野菜だということも徐々に認知度が上がってきているので、

ぜひ多くの方にビーツを知っていただきたいと思っています。

栽培方法に関しても、発酵堆肥と米ぬかを中心にして栽培しており、

有機JASの規格基準と同様の栽培をしています。

草むしりや害虫対策も全て手作業で行っており、手間暇かけて大切に育てています。

安全な栽培をすると、価格はどうしても高くなってしまいますが、

農家直送のため、他の販売業者さんと比べると、

良い作物を安価でご提供できているのではないかなと思っています。

ぜひ日々の食卓を豊かに、そして健康に美しく過ごすためにビーツを召し上がってください。

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