祖母がやっていた家庭菜園を引き継いだ母。
私はもともと農業とは違う仕事を元々しており、普通の会社勤めでした。
家系は、祖母の代からずっとちょっと本格的な、家庭菜園的なことをしておりました。
家庭菜園といっても小さな庭ではなく比較的大規模なファームでやっていました。
そして、ビジネスにはならなかったのですが、私の家庭では、日常的にそこで採れた農薬不使用の野菜を食べていたんです。
あとは、健康茶も作っていましたね。
自分たちが作ってそれを日常的に、飲むということをしていました。
そんなある日、祖母も結構な年代なのでこれからどうしようかという話になったんです。
ただ、当時は非効率なやり方で失敗もしょっちゅうで。
でもまあ、祖母は仕事としてやっているわけではないから、それでいいかなと、長年マイペースに続けていたのですが、このやり方だと、確実に採算が合わず、商売として成り立たせるというのは難しいだろうというのは目に見えていました。
だからやり方を変えないといけないと思って、もう少しビジネスとしても成り立つよう、家庭菜園的なファームを大きくしようと、その後母が引き継ぐことになりました。
母は食べるのが好きで、会社勤めだったのですが農業は全くの、初心者。
脱サラして農業をはじめて、その後、自分も合流してやろうという流れになったのです。
だから特別、オーガニックを意識していた訳ではないのですが、正式に販売するにあたり、最初から基準を満たしていたので、有機認証を取得することができただけなんです。
身内にもアトピーを持っている人もいたので、やっぱり安全なものを作りたい気持ちが強くて、選択肢ははじめから、無農薬でした。
原点は自分たちが使えるもの。
よく言われるように、売る用の野菜と家庭の野菜を分けて、「自分たちが食べるものには農薬は使わないけれど、出荷用野菜には農薬を使ってもいいや」的な感じでやられている生産者もいたことは知っていました。
でも、作るものと売るものを分けるというのは、人としてどうしてもやりたくなかったんです。
最近では色々作るものを増やして試行錯誤していますが、どの作物も、やっぱり原点は「自分たちが使えるもの。」
使うものを作れるかどうか?という点にこだわっています。
自分たちでも使いたいものを作っていた方が、買うときの安心感が違うじゃないですか。
ですから、野菜を作っていく中、オーガニック栽培なのですが、私たちは動物性堆肥不使用にもこだわっています。
植物由来の安全な肥料のみ。
どこから来たかわからない、ルーツがわからないものを栽培で使わないことを心がけていますね。
野菜のパウダーを作った理由は、働きながら育児をする際、子どもが生まれてから忙しい中で野菜を調理するのは難しいと思って、負担を減らせるのがパウダーかな、と思ったから。
野菜のパウダーというと一見、離乳食のイメージかもしれませんが、お母さんが子どもさんと一緒に食べられるようなものを作りたい気持ちがあったんですよね。
授乳の期間中にも、働きながら使えて、お母さん自体にもいいものはなんだろう?と。
そして野菜の加工をすることによって少しでも付加価値がつけられるものを作りたいなと思って出来上がったのがパウダーでした。
発色の部分はとてもこだわっていますね。
オーガニックって地味な商品も、多いんです。
けれど、まだまだ、見た目の時点で選ばれてしまったりするのが世間の感覚です。
見栄えが映えるようなやり方じゃないと手に取ってもらうことすらできません。
だから入り口の見た目には気にしました。
使っていても華やかで、楽しい。
そんな楽しさが、このパウダーにはあります。
今後は、いろんな人を巻き込んで、例えばローカルなお客さんの意見も取り入れながら、一緒にプロダクトを開発したりとか。
そういうことにも興味がありますね。
そして、一番はオーガニックの敷居を下げていきたいと思っています。
まだまだ、オーガニック=特別なものというか「意識高い」みたいな感じになっちゃっている部分も否めませんよね。
コアな部分があってもいいけれど、私としては裾野を広げ、ライトな層に向けて届けていきたいです。
何気なくオーガニックを手にする人もいるというのが理想だと思っています。
ぜひオーガニックの野菜パウダー使ってみてください。
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