飲むたびに、森が育つ。

グラスの中に注がれたその一杯が、遠い熱帯の森の再生へとつながっていく。
香りはやわらかく、湿った木陰のような落ち着きを帯びている。
ひと口飲むと、刺激ではなく「余白」を感じる。
それは、人工的な甘味や香料が何ひとつ使われていないからだ。

このクラフトシロップは、一本の木から始まった物語を持っている。
代表が「森を守る方法を、もっと日常の中に取り戻せないか」と考え、
インドネシアの熱帯林に渡ったことがその始まりだった。
現地で出会ったのは、農業と森林を両立させる方法、アグロフォレストリー（森林再生農法）。
それは、土地を消費するのではなく、育てながら収穫するという循環の農法だった。

森と共に生きるスパイス

この農法では、コショウやクローブ、シナモンなどのスパイスが、
果樹やハーブと同じ森の中で共存する。
木々が根を張り、枯葉が土に還り、微生物が動き出す。
それぞれが自然のリズムで循環し、肥料も農薬も必要としない。

ここで収穫されるスパイスは、香りの奥に**「森の湿度」**を感じさせる。
精油濃度が高く、加熱しても香りが抜けにくい。
つまり、自然そのものが「香料」の役割を果たしている。

このスパイスを買い付けるたびに、現地のNGOを通じて新しい木が植えられていく。
飲むほどに、森が再生される仕組み。
持続可能という言葉を軽く超えて、味わうこと自体が環境活動になっている。

全原材料、農薬も化学肥料も不使用

このボトルを構成するすべての素材は、農薬も化学肥料も使わずに育っている。
スパイスはもちろん、甘みをつける素材や柚子果汁まで、すべてがオーガニック仕様。
自然が自らを循環させる仕組みをそのまま活かし、
人為的な介入をできる限り排除して育てられている。

兵庫県産の有機柚子は、皮ごと搾っても残留農薬の心配がないほど清らか。
ベースに使う甘酒は、麹と米だけで発酵させた無添加仕込み。
砂糖も保存料も使わず、米がもつ自然な甘みを生かしている。

これらの素材が混ざり合うことで、ひと口目から“やさしさ”が際立つ。
成分表よりも「つくられ方」が身体に届く。
だから飲み終えたあとも、口の中にはどこか落ち着く余韻が残る。

味わいの幅、使い方の自由

炭酸で割れば、軽やかなクラフトコーラ。
ミルクや豆乳に溶かせば、スパイスチャイのような奥行きのある味わいに。
夜はラムやウイスキーを加えてカクテルにすれば、
一瞬で異国のバーのような香りが広がる。

一本でおよそ9〜10杯分。
冷たいドリンクにも、ホットにも。
季節と気分に合わせて飲み方を変えるたびに、新しい表情を見せてくれる。
人工香料を使わずにここまで香りが持つのは、素材の力が健やかだから。
自然栽培のスパイスが持つ精油成分が、低温でもしっかりと残るため、
砂糖を加えなくても味が丸く仕上がる。

森を壊さずに、経済を回すという選択

アグロフォレストリーの畑では、
高木が日差しをやわらげ、その下で香辛料や果樹が育つ。
根が水分を分け合い、土が乾季でも湿りを保つ。
一本の土地から、複数の作物を少しずつ、長く収穫できる。
それが、農家の生活を安定させる仕組みになっている。

森を伐採せず、経済を回す。
それがこの飲み物の本質だ。
「エシカル」や「サステナブル」という言葉を超えて、
人と自然が共に生きる農法を味そのものに宿している。

そして、4本の販売につき、およそ1本の木が再生される。
つまり、日常の一杯が、ゆるやかに世界の森を増やしていく。
飲むことが、もうひとつの植林活動になっている。

グラスの中に、小さな森を感じる

グラスに注ぐと、最初に立ちのぼるのはシナモンの甘さ。
次にカルダモン、クローブの穏やかな刺激。
最後に柚子の酸味が鼻の奥でほどける。
香りが強すぎないのは、素材が生きている証拠。

口に含めば、森の湿度、風、光がほんのり蘇る。
飲み物というより、小さな森をそのまま取り込む感覚に近い。
毎日のルーティンの中に、自然を感じる時間を取り戻してくれる。

変化を愉しむ日々の相棒へ

朝はスパイスウォーター、昼は炭酸ソーダ、夜はホットチャイ。
一日のどの瞬間にも寄り添う柔軟さがある。
飲み続けるうちにわかるのは、「甘い」ではなく「整う」という感覚。
これは嗜好品ではなく、自然との関係を思い出させるための一杯。

IN YOU MARKETは、この飲みものを通じて伝えたい。
体にやさしいだけでなく、地球の循環にもやさしい選択があるということ。
オーガニックを越えた「オーセンティック（本質的）」な生き方。
その一歩が、あなたのグラスから始まる。

最後のひと口のあとに

飲み終えたあと、舌の奥にほのかに残るのは、
シナモンと柚子の余韻、そして静かな甘酒のぬくもり。
リフレッシュでもリラックスでもなく、
心身が“整う”という自然のリズムがそこにある。

誰かの生活の森を支えながら、
自分の内側の森も静かに呼吸を始める。
どんなに便利な時代でも、自然と共にある心地よさは変わらない。
森を語らずして、森を感じる。
そんな一杯が、ここにある。