8年前、教師という安定した道から勇気を持って飛び出した一人の女性がいました。

彼女は、教室という場では子どもたちに伝えきれなかった「食の大切さ」を伝えるために、新たに料理の道へと転身。

教育現場で、子どもたちの健康や心の安らぎを食事で支えることの大切さを見出した彼女は、食を通じて全ての人々の生活を変えることを目指す、新たなチャレンジに挑みます。

アレルギーから見つけた新しい選択肢

大学時代、実は、彼女自身も湿疹やアレルギーに悩まされていました。

そんなある日、表参道のとある紅茶屋でのアルバイトを通じて、添加物を使わない食事に出会います。

食生活を変えるだけでも体調がみるみる大きく改善し、心の不安定さや何年目、メンタルの不調までも軽減されることを学びました。

それ以来、「食べること」は彼女にとってお腹を満たす行為ではなく、心身を癒し、前向きな人生を送るための大切なものなのだと気づくことになります。

時が変わり、彼女が母となったとき、さらに「食」の重要性を実感することになります。

彼女自身の子どもがアレルギーを持ち、いくつもの食材が食べられなくなってしまうのです。保育園の教室でもふと、自分だけが食べられないものを目の前に、ひとりぼっち・・。

そんな、子どもにとっても生きがいの食べる楽しさが奪われている現実に心を痛めました。

でも、日本の食卓には、アレルギーに対応した「我慢」ではない、美味しい選択肢がまだまだ少ない。

だからこそ、彼女はかつてカナダに滞在した時に見た、多彩で美味しいヴィーガンやグルテンフリーの食文化を日本にも根付かせたいと強く思ったのです。

理想を追求した末に完成した、「焼きドーナツ」

試行錯誤を繰り返し、やっとの思いで彼女がたどり着いたのは「焼きドーナツ 」でした。

オートミールやバナナ、そして米粉などを使ったドーナツは、揚げ油を使わないでベイクするだけなので、しっとりとした食感で、優しい甘さが特徴の、軽やかな口触りです。

罪悪感のない優しいおやつは、外出先での軽食や、おやつにもぴったりです。

彼女が目指すのは、どこにいても美味しくて体に優しいものが手に入る社会。

そして、例え、アレルギーや食事制限があっても「食べる楽しさ」を諦めない未来です。

海外のレシピを研究していく中で、作り手は、オートミールを粉状にするなど、新しい食材や調理法を積極的に取り入れてきました。

日本ではまだまだ白い米粉100パーセントに頼るレシピが多い中で、それだけでは栄養素が不足しがちだと感じ、また、糖質が必要以上に多くなることを懸念していました。

そこで、ナッツフリーも叶えつつ、ミネラル豊富な食材を活用することに重点を置いています。

例えばオーガニック玄米粉とオートミールをベースにしたレシピは、最も多く使う基本の材料なのだそう。

食物繊維やミネラルが豊富で、栄養バランスを考えながら、アレルギーにも対応した料理が作れる点で、有用です。

けれど、海外のレシピを参考にかつては完全な独学で始めたため、数年間はとにかく、試行錯誤の連続。

パテシエやパン職人としてのベースがなかったが故に、どの食材がどのように機能するかを理解するのにかなり時間がかかり、失敗するたびその原因を突き詰めるのに苦労しました。

しかし、徐々に自分の理想とする味や食感を具現化させることができるようになり、経験を積んだ末、プロとして販売できるようになったのです。

やりがいを感じる瞬間とは？

アレルギーに特化するのが目的ではないものの、普段から食事に制限がある方々が「こんな美味しいものに出会えました！」と喜んでくださったとき、彼女の仕事の価値の大きさを改めて感じるのだそう。

教師をしていたときに感じていたストレスは、今の仕事では全くなくなっていきいきと仕事ができていると言います。

あの頃は「他の先生と同じように考えられない自分はダメなんじゃないか」と思い悩んでいたという彼女。

今はその考えもガラッと変わり、日々の売り上げのプレッシャーは多少はあれど、それ以上に「どうやったらお客様が喜んでくれるか」「どうしたら心から楽しんでもらえるものが作れるか」を考えることに大きなやりがいを感じているそうです。

添加物を使わないグルテンフリーの商品は、日本ではまだ多くないため、貴重な選択肢を提供できることが彼女にとっての誇りです。

日本のグルテンフリー市場に感じる闇

一方、日本の市場には「微妙だな。」と感じる点もあると語ります。

市販の大量生産型グルテンフリー商品は、見た目にこだわるあまり、実際には多くの添加物が含まれていることが多いのです。

市販製品や既製品は大抵白い米粉100%のレシピが主流。

でも、それでは糖質と炭水化物中心で栄養が偏りがち...栄養のない糖質ばかりのパンやお菓子では、体に負担も大きいです。

一見、確かに”グルテンフリー”ではありますが、実際に本当に体に良いのかといえば疑問で、栄養価が低く満足感にも欠けることに疑問を持っていたそうです。

こうした課題を乗り越え、食事制限がある方にも「食べる喜び」を届けたいという思いが、彼女の活動の原動力。

今彼女にできることは、ただ栄養価が高いだけでなく、食べることが楽しくなる商品を作り出し、家族やお客様の笑顔を増やすこと。

それが使命であり、日々の挑戦だと言います。

お子さんと仕事、どちらも大事にしながら目指す、田舎暮らしが叶える夢の追求

作り手は、お子さんの一人のママさんでもあります。

もちろん、子育てと仕事の両立は簡単ではありません。

それでも、子どもの成長に合わせ、仕事の時間をうまく調整することで楽しく夢を追い続けてきたのです。

1年前、思い切って店舗をオープンする決断をします。

あえて福井へと移り住んだのは、田舎ならではのパンを作れる広いスペースがあったから。

田舎での生活は、都会と違って敷居も低く、自然の中でのびのびとストレスフリーに仕事ができる環境でした。

古い家屋には離れがついているのが一般的で、そのような場を活かして心地よく仕事しているそうです。

自然豊かな環境の中で、仕事と子育てが調和した理想的な生活を送り、より多くの人々に「食べる喜び」を届けています。

私が食べて驚いた瞬間

ドーナツを食べたとき、美味しさにびっくりしました。

しっとりとした生地と、シンプルな素材の味わいの中に感じられる優しい味わい...。

「食べる喜びと安心」が詰まった一品。あなたも、この感動をぜひ体験してみてください。

IN YOU MARKETと共に、彼女の挑戦はこれからも続きます。

美味しさと健康を両立させた食卓を提案し、みんなが笑顔になれる未来を目指して。