慣れ親しんだ地元の在来茶を全国区に。自然の叡智に学び、唯一無二の美味しさに挑んだ苦節10年の軌跡。 | IN YOU Market|厳選オーガニックショップ-食品・コスメ・サプリ


慣れ親しんだ地元の在来茶を全国区に。自然の叡智に学び、唯一無二の美味しさに挑んだ苦節10年の軌跡。

2019/11/28

高知は、知る人ぞ知る由緒あるお茶どころ

お茶の代名詞といえば静岡の牧之原台地を想い浮かべる方も 多いでしょう。 でも実は歴史を紐解くと、高知こそ由緒のある茶処であることを ご存知ですか? 1200年代に鎌倉のお坊さんが高知の寺の領地に隠れ住み、 土佐の山茶を嗜んだという古い記録があるほどです。 山の岩場のいたるところに自生する山茶は、 昔から地元の人たちが春先になると自分たちで摘み、 手でもんで天日干しにして楽しんでいたとか。 家庭で楽しむ他は荒茶にした状態で 静岡の茶市場などにブレンド茶の原料として出荷していましたが、 荒茶の価格低迷、農家の高齢化などが原因で 土佐茶の栽培や加工は困難になりつつあったそうです。 そこで立ち上がったのが、神戸から地元・高知県吾川郡に Uターン帰省した國友さん。 子供の頃から親しんでいた山茶の独特の風味は 大人になって様々な食文化に触れ合いながらも 「うちの山茶が一番美味しい!」と感じていたのだとか。 この美味しさを、もっとたくさんの人に知ってもらいたいと 考えた國友さんは、山茶を製品化することを決意。 ここから、國友さんの挑戦と飽くなき探求の日々が始まります。

茶畑ではなく、茶の木。
自然ありのままの個性を生かして、一つひとつ手摘みで収穫

一般的な茶畑を知っている方が見たら「え?」と驚くかもしれませんが、 こちらの山茶は人里を離れた山深い森の中にぽつ、ぽつと 自生する茶の木から作られます。 「お茶の木が好んで生えるのは、水はけのよい岩場。 あんまり日の当たらない森の中で、岩を追いかけるように、岩を割ってしっかり 根をはるんですよ。すごく生命力が強いんです。 そして、土だけじゃなく岩のミネラルも吸って育つので 自然の養分がたっぷり入ってます。」 また、茶の木は“異株結果”といって、同じ株の雌しべと雄しべでは実を結びません。 固体がバラバラ、それぞれの株が多種多様な個性を持っているため、 葉の形だけでも丸いもの、平べったいもの、ゴツゴツしたものなど 全ての茶の木で違います。 だから収穫も、機械でできないため全て手作業。 「一芯二葉といって、まだ葉が開いていない「芽」の状態の芯の部分と、 その下の2枚の葉の部分だけを丁寧に手摘みしていきます。 しかもうちは毎シーズン、摘むのは一回のみ。年間10キロほどしか収穫できない とても希少なお茶なんですよ。」 國友さん曰く、 「中国・福建省武夷山の最高級と言われる岩茶も、1日にほんの一筋の朝日しか ささない岩場のお茶なんです。その話を聞いたときに、この山茶も 同じような環境だから、中国茶のように香りが高いのかしら、って気づきました。」

独特の風味は、土佐の自然が育んだ自然からの贈り物

斜面地で日射時間も少ない中で育った葉は、紫外線にあまり 当たらないためとても柔らか。 土佐の清らかな空気や、茶の木を護るように覆う霧、 土地や岩の豊富なミネラルなど、たくましい自然のパワーが 詰まっているかのような茶の木は 特に手を加えることなく、 自然のありのままの形で育てているそうです。 もともと自生しているものだから、もちろん無農薬。 農園も加工工場も、有機JASを取得していいます。 「手摘み、雑草取りなど手間はかかるけれど、山茶独特と言える 香りや味わいはこの自然環境がくれた贈り物。 自然に敬意を払う意味でも、 私たち人間が介入することなく 茶の木には好きなように、育ってもらってますよ。」 と穏やかに笑う國友さん。 自然と共存する暮らしが、色濃く受け継がれているのを感じます。 [recommend_item url="https://inyoumarket.com/c/food/672-1"]

世界でただ一つ。
10年かけてあみ出した、独自の釜炒り製法

山茶のこだわりは、茶の木から収穫した茶葉だけにとどまりません。 昔はアパレル業界でマーケティングを勉強していた國友さん。 もともと風味が素晴らしいと評価が高かったこの茶葉を どう加工したら皆さんに喜んでいただけるだろうか?と考え、 まずは市場調査として世界各国のお茶の産地を視察しに 足を運び、それぞれの風味の違いを かたっぱしから試してみたのだそう。 そこで「山茶の風味や香りを最大限に生かすには 蒸すのではなく釜炒りが一番合う!」と確信した國友さんは、 昔ながらの製法にこだわらず、完全にオリジナルの釜炒り製法を 見つけようと開発に着手。 「地元の釜炒り、九州地方に伝わる釜炒り、 そして香りが高いことで知られる凍頂烏龍茶の釜炒り。この3つを研究し、 全くオリジナル、うちの農園独自の釜炒り製法をあみ出したんです。」 完成までには約10年、試作品は100回をゆうに越えていた、とか。 「茶木から丁寧に手摘みされた茶葉は 大釜に入れられ、高温で12〜3分炒り上げます。 この熱を入れる工程によって、茶葉の発酵がストップし 風味が決まってくるのですが、 どこまで熱を入れるか、どこでストップするかは 職人の目と手で確認しながら進めていく、とても繊細な作業です。 人間の五感で仕上げているからこそ、山茶の繊細な、独自の風味が生み出せるんです。 苦節10年、國友さんと職人さんが二人三脚で生み出した釜炒りの山茶は 私たちに馴染みのある煎茶とは全く違った味わい。 まるで日本茶と中国茶のコラボのような、繊細な風味に驚きます。 中国茶のような香り高い風味、そして日本茶独特の冴えるような すっきりとした後味。「もっと、もっと」と癖になる、これまでに 経験したことのない美味しさです。 [recommend_item url="https://inyoumarket.com/c/food/672-1"]

お茶のプロも感嘆した唯一無二の美味しさ

「最初は商品を高知のギャラリーに置いてもらっていたんです。 そこから口コミだけで人気がひろがりましてね。 うちにも置いてもらえない?って声をかけられたりしながら徐々に 山茶の販売経路ができていきましたね。」 その山茶の美味しさは、瞬く間に高知を越え、日本全国で話題に。 さらに海外にまで、広がっていきました。 表参道にあるお茶の専門店を営む方に試作品を渡したところ 大絶賛を受けたり、世界的に有名な自然食レストランでシェフを 長年されていた方が、農園を見学に訪れたのだそう。 「ワインのソムリエさんからもミネラル感が感じられて美味しいって言われましたね。 それと意外な反応としては、高齢者の方からよく唾液が出る!と 喜ばれますよ。 お茶マニアと呼ばれる方には特に人気みたいで、そんなに宣伝していないんですが 全国から、時には北欧や北米、フィリピンからも(!)、こんな山地までみなさん見学に来てくれるんですよ。」 と嬉しそうに教えてくれた國友さん。 「日本茶は一煎目が美味しいと言われているけれど、この山茶は 中国茶のように5煎目くらいまで入れたての美味しさが続くのも特徴。 水色も全く濁りません。 それでね、これはお客様に教えてもらったんだけど、 お茶として楽しんだ茶葉は、食べても美味しいんです。 サラダに混ぜたり、佃煮にしたり。 これも無農薬で最高級の茶葉だからこそ、できることですよね」

忙しい毎日に、五感が研ぎ澄まされる癒しの時間を

「都市に生きていると、本物の癒しってなかなか得られないですよね。 人間の本能、生きる力っていうのも、利便性がどんどん高くなるにつれて 失われていくと思うんです。 そういう生活の中でも、例えば夜リラックスしながら この山茶を楽しみつつ、感覚を研ぎ澄まして自然が持つ癒しの力を 感じていただけたら嬉しいなあと思います。」 ご自身も都会でハードワークな日々を送っていたからこそ、 小さな頃から当たり前のように自然に感謝しともに 共存してきたことの尊さを実感するという國友さん。 自然の叡智を信頼し、その偉大さをいただいて 大切に地元の人たちの手で作り上げた釜炒りの山茶。 私たちが失いつつある五感を目覚めさせてくれるかのような、 繊細で豊かな風味がしみじみ染み入る 唯一無二の美味しさを、あなたも味わい尽くしてみませんか。 [recommend_item url="https://inyoumarket.com/c/food/672-1"]