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肩書きにこだわる人間関係に疲弊し、オーガニック農業の世界へ|ありのままを受け入れ心を癒してくれる自然の力の魅力とは

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肩書きにこだわる人間関係に疲弊し、オーガニック農業の世界へ|ありのままを受け入れ心を癒してくれる自然の力の魅力とは

一生懸命作った野菜をゴミ箱に捨てる光景を目の当たりに│売る側の人間は、果たして食材を大事に扱っているのだろうか?

もともと僕は、流通側の仕事をしていました。

バイヤー的な観点で野菜を調達していたのですが、大抵、野菜を仕入れるとなると、「市場に買い付けにいく」というのが基本のスタイルです。

市場に並ぶと、どういう風に作られたものなのかその経緯が全くわからないわけです。

とはいえ、企業ですから利益も重要。

一方で、「お客様にいいものを売っていきたい」という気持ちもありました。

お客様の理想としては、良い品物をより安く買っていきたいのが本音だと思います。

ある日、たまたま農家さんと話す機会を作ろうと思い、農業体験をしに行ったんです。

農業体験は思ったよりもすごく労力が必要で大変でした。

なんて大変なんだろうと、農業の大変さを痛感しました。

その時に、これまでのあり方を見つめ直したんです。

売っている側の人間たちは、果たして野菜を、食材を、本当の意味で大事に扱っているのだろうか・・?と。

ちょっとでも鮮度が落ちたり、傷んだら大量にゴミ箱に捨てるのが普通。

一生懸命に作り手たちが作っているのに・・・。

こんなにも苦労して作った野菜が、その裏側では軽々しく扱われている事実を知っていたので、深い罪悪感を感じました。

肩書きに左右される人間関係に疲れ、鬱で「死にたい」とすら思っていたサラリーマン時代

比較的、経済的に安定して生活できるサラリーマン人生。

けれど、ずっとこんなこと続けていてもいいんだろうか・・?と疑問に思いました。

これが農業の世界に踏み入れる、大きな動機となったことを記憶しています。

もう少しお話しすると、サラリーマン時代に、鬱で死にたいと思っていた時期もあります。

日本人って何かと肩書きが好きですよね。

僕自身は、過去、いくつかの会社を通じて、僕の中では「人対人の信頼関係で仕事をやってきた」という自負がありました。

けれども、職歴が変わった瞬間に取引先の人の態度がコロリと変わってしまったことがありました。

そういうのを見てすごくショックだったんですよね・・。

「あれ?自分なりにコツコツと構築してきた今までの人間関係って、一体なんだったんだろう・・。」と思いまして。

こういうことも含め、色々な人間関係も引き金になって、ガタンときちゃったんです。

まあ、今思えば、その当時を振り返ったときに、カップラーメンなんかのジャンクフードもたくさん食べていましたし、今だと絶対あり得ない乱れた食生活で健康意識がすごく低かったからこそ、メンタルにもきてしまっていたんだと思うんですけれど。

そんなある日、通っているドクターと話す中で、「物作りをしたら?」という提案がありました。

自分としては売る側の仕事も好きだったけれど、やっぱり作るという仕事に携わりたいなあ、と思ったんですよね。

そして、自分たちでももう一度、農業そしてオーガニックについてもきちんと勉強したいと思い、本格的に農業の世界へ。

どうせやるのなら農薬や化学肥料は使いたくないと思って自然な農法にチャレンジ

どうせ農業をやるのなら、「農薬や化学肥料は使いたくないなあ」という考えが始める上でありました。

今もそうですが、当時から世の中的にもオーガニックが浸透しきっていないという課題を感じていましたから。

それから日本の風潮として、「認証さえあれば、オーガニック」みたいなイメージにも疑問がありました。

認証があったとしても、栽培方法に疑問を感じるものだってあります。

認証云々の前に、オーガニックという考え方そのものが、日本ではまだまだ理解されていないのではないかと思うことが以前よりあったのです。

さらに、今は小売店に行けばいつでも当たり前にいろんな野菜もある世の中。

あらゆる食べ物が当たり前に手に入ります。

けれど作り手があってのことで、これは決して当たり前ではないわけです。

そしてこの世には、健康な人もいれば、化学物質過敏症やアレルギーなどの病気で困っている人もいます。

美味しいとか美味しくないということ以前に、安全性を重視するならば、農薬や化学肥料を使わないのが一番です。

売る側の立場も経験したからこそ、消費者に対しても、「考えるきっかけ」を与えられるような農家になりたいと思っています。

「自分たちの世代さえよければいい」という利己的主義ではなく、先々の世代にも残せるものに重きをおいて、これからも意思決定をしていければって。

そのためには、農薬・肥料不使用で作ることは大前提の条件です。

タネを蒔く時期を一歩間違えば、芽が出なくて無収入になる恐れもある厳しい世界

オーガニック農業をスタートしてからかれこれ5年目。
大変なことはいくらでもあります。

始めた時には、正直「タネまけば、生えてくるんじゃない?」というような軽い気持ちもありました。

でもそういう風に安易に考えてタネを蒔く時期を一歩間違えれば、一切芽が出なくて一切収入が得られないことも往々にしてあります。

気温や環境によって害虫が出てきてしまったり。

最近は除草剤とか便利なものもあるけれど、自分はそういうものを使わず栽培するわけなので、時間をかけて草を抜かなきゃいけないというような苦労もあります。

こういう感じで、大変なことを言い始めたらキリはありません。

手をかけるほど、必ず植物は努力に応えてくれる愛しい存在。人生に切羽詰まった時こそ自然と触れ合って欲しい

ですが、結果として感じたのは、「手を掛けるほど、野菜はその努力に応えてくれるな」ということ。

自然の植物と向き合えば向き合うほど、可愛がってあげたいし、もっと寄り添ってあげたいと愛しく思いますね。

農作業のいいところとしては、自分の心が洗われるところです。

過去の自分のように鬱々としている人や、心の病気を持っている人には、ぜひ農業を体験して欲しいと思っています。

何かに追われて、人生に本当に切羽詰まっていて逃げ出したいと思っている時だって全然大丈夫。

ぜひ一度やってみて欲しいなと思いますね。

無条件で、植物や土と触れ合うことで元気をもらえますし、安心できるんです。

安定収入があった時と比べても、確実にオーガニックファーマーとして生活している今の方が、幸福度は高い

サラリーマン時代のように給与が振り込まれるわけではありません。

だからこそ、お金の豊かさはないけれど、その当時に比べると心の豊かさは、確実に上昇したと思います。

自然の前では、特にかっこつける必要もないですし、自然はありのままの自分を全てを受け入れてくれるんです。

もちろん一人一人やりたいことは違うから、全員が一生農業をやる必要はないのかもしれないですけれど、農作業や自然と触れ合う時間を作ることは強くお勧めしたいですね。

今はおかげさまで自分のところで収穫した農薬不使用の野菜を食べたり、調味料にもこだわっていますから、過去に比べて格段に食生活がよくなりました。

今「幸せですか?」と聞かれたら、絶対に「幸せです」と答えますね。

誇張ではなく、過去と比較しても今の方がはるかに幸せだと心から思っています。

お金を安定的にもらえていた時よりも、はるかに今の方が心の幸福度は高いのです。

心の豊かさは、お金だけでは得られないことがわかりました。

それもこれも、全て自然が教えてくれたことです。

今は不安の方が先行する風潮が世の中としてありますね。

これからますます心が荒んでいく人が増えていくのではないしょうか。

僕自身も今は自然の中にいるけれど、日々のニュースを見ているとだんだん暗い気持ちになるので、そういう時はニュースを見るのをやめて、畑に行って作業をするようにしています。

「買えて当たり前」という考え方ではなく「作り手がいるから入手することができる」という謙虚な姿勢を持ち、作り手・買い手共に感謝し合うことが重要。

僕自身はまだまだ小規模な生産者ですから、世界を変えたい!というほどのことは言えません。

しかし、いつだって「生産者が美味しい野菜や食材を作っていること」自体がとても大事なこと。

消費者の皆様に買っていただけることにより、僕たちは対価を頂ける。

そうすると、買ってくださった方への感謝の気持ちが生まれて、よりよいものを作りたいという循環が生まれ、次の生産につながっていくのだと思っています。

そして消費者の皆様にも、「作り手さんがいるから食べ物を入手することができる」という感謝の気持ちを持って頂ければ、お互いに感謝し合う良い関係が生まれて、もっとオーガニックが発展していくんじゃないかなと思っています。

これからの時代、「自分さえよければいい」ではなく、お互いが助け合ってお互いに分かち合うことが「幸せ」に繋がるのではないでしょうか。

ぜひそんな「感謝の気持ち」が詰まった私の野菜も召し上がってみてください。

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