出品者の松本さんに製品ができるまでのお話をきいてみました。
「会社勤めをしていた当時、冷え性で悩んでいたんですね。
夏は冷房がガンガンで寒くて、冬場はボーッとするほどのぼせるような暖房がかかっていて。
食事療法や運動を試みていたのですが、その中でも身体を暖めるお風呂が大切な要素だと聞いて。
ドラッグストアに行って片っ端から様々な入浴剤を試しました。
しかし、裏面の表示を見たときによくわからない表記が多くて、
これって何に使うんだろう?と疑問に思い詳細を探す様になりました。」
ーー入浴剤にも添加物や着色料が豊富に入っていたりするんですよね。
「そうなんです。
調べていると「見た目を華やかに見せる為だけに」入っているものが多かったんですね。
そのタイミングで、奈良の地元に戻り大和当帰のお風呂に浸かることがあって。
こんなにも自然由来の植物を乾燥させただけの素朴なものが身体がポカポカとして、
自然と心地いいと夢中になりました。
経済に回っていないような田舎の地域こそ、いい素材がたくさん残っていて。
それをを使って都市部の人に届けたい。
自然のお風呂があったらいいのにと思い入浴料開発に至りました。」
日本の植物を使った入浴料開発の道のり
ーーやはり開発から完成までに時間がかかったのでは?「地のものを使って何か作りたいなと前々から思っており、
道の駅などに行って、奈良の農産品を探したり。
ネットを駆使して情報を集めたり。
自分で直接声をかけて、アポイントをとって熱意をを伝えたら、
地域の生産者の方々が共感してくれて、特別に素材を分けてもらえることになりました。」
入浴料製作をお願いした社会福祉との繋がりは、実は幼少期から
「私が小さな時から近所にある障害者施設に母についてボランティアに行っていて。
日常の中に、障害を持っている方との関わりがありました。
商品作りをする中のテーマの一つに「働く方の多様性を実現をしたい」という想いがあり、
会社員を辞めてから人づてに福祉施設への協力を募り、
製品の一部の工程をお願いすることに至りました。」
ーーお願いすることが決まってからも、完成までは結構苦労されたのですか?
「巾着状の形で、作り上げること、クオリティを保つ為にも、
お願いしている福祉施設の方々にもご協力いただいて
製造の細かな決まり事も試行錯誤をしながら一緒に何度も検討しました。」
入浴料を都市部の人に手にとってもらえるデザインの様々な工夫
ーーこのパッケージ、すごく可愛らしいなと思うのですがご自身でデザインもされたのですか?
「商品のパッケージに関わってくれたのは、2人の方なんですね。
イラスト担当とロゴのデザイン担当。
同じ奈良県を知りながらも、都市部の感覚を持っている人を選びました。
それと地域の温度感を理解してくれる人がいいなあって。
一人は、奈良県出身の方で東京で仕事してUターンで帰ってきた人。
もう一人は、東京出身で仕事で、奈良県にIターンで来た人。
リーフレットのカメラマンさんも、東京と奈良の二拠点生活をされている方です。
自分と同世代の人たちに気軽に手にとってもらえる様に、
しかしながら奈良の植物の魅力も伝わる様に、イラストもロゴもデザインしていただきました。
またリーフレットも、私たちで制作しました。
自宅のお風呂なんだけれど、日常とはちょっと違う雰囲気を出すのに苦労しましたね。」
この入浴料を届けたい人
ーーどんな想いでこの入浴料を使っていただきたいと思っていますか?「マクロビオティックの食事療法に出会ったところがきっかけで、
ちょっとした不調や癒しを自己管理のきっかけにしてもらえたらいいなと思います。
子育て中のお母様やお仕事疲れ、
暮らしに疲れた体をお風呂でゆっくり癒していただきたいです。
一般の入浴剤でアトピーの方は肌があれしまう方もいるようで、
肌の敏感な方にも使っていただける様に、
無農薬、無化学肥料で安心して使っていただけます。」
ーー今後の展望をお聞かせいただけますか?
「今回の販売は、基本の3種類の入浴料です。
ひのき以外は、食用に生産されているものを使用しています。
からだに取り込むものは、食べられるものが安心だと考えています。
お勧めの当帰も入っているので、しっかりと温まっていただけたら嬉しいです。
これからは、奈良に存在するもっと面白い種類の植物を
手にとっていただける様に、
製品を増やして行きたいなと思っています。
西洋のハーブはアロマオイルなどで気軽に試せる環境が整っていますが、
日本の植物も色々なものがいっぱいあって、
それを入浴料を通して多くの人に知ってもらいたい、
その人の時をより豊かなものに変える手段の一つになったら嬉しいです。」